2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640233
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
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Keywords | ガンマ線バースト / 超新星 / 極超新星 / ハイパーノバ / ブラックホール / 星の進化 / 元素合成 / スペクトル |
Research Abstract |
特に明るい超新星SN1999asおよびSN2002apの爆発モデルを構築し、観測データとの詳細な比較によって、爆発した星の質量や爆発エネルギーなどの推定を行なった。 この2つの超新星は、以下のように、爆発エネルギーがふつうの超新星よりはるかに大きい「極超新星」(Hypernova)であるという結論を得た。 SN1999asに関して求められたパラメータの値は以下のようになった。 1)この超新星の明るさに距離の補正を施すと、観測史上最も明るい超新星である。 2)生成された^<56>Niの質量は、太陽質量の4倍という莫大な量となる。 3)光度曲線の形から、この超新星の質量は、太陽質量の10倍以上である。その親星の質量に換算すると、もともと太陽質量の50倍以上という大質量星の爆発であった。 4)爆発エネルギーは、3x10^<52>エルグ以上すなわち通常の超新星の10倍以上の大きさであり、この超新星が「極超新星」であることを示している。 いっぽうSN2002aPの爆発は次のような特徴を持つことが分かった。 1)この超新星の絶対的明るさは、近距離であることを考慮すると特別に明るいわけではない。 2)生成された^<56>Niの質量は、太陽質量の0.1倍と、普通の超新星と同程度である。 3)この超新星の質量は、太陽質量の2-3倍程度であるその親星の質量に換算すると、もともと太陽質量の25倍程度という、普通の大質量星である。 4)爆発エネルギーは、5x10^<51>エルグと通常の超新星の5倍程度で、この超新星が「極超新星」であることを示している。 このように、昨年度研究した極超新星SN1997ef, 1998bwと比べると、SN1999asはさらに規模の大きい大爆発であるのに対し、SN2002apの方は、通常の超新星との中間に位置している。このような中間型の極超新星の発見は初めてであり、ガンマ線バーストと極超新星の関連の研究に新たな興味深いデータを提供したことになる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Maeda, K., Nakamura, T., Nomoto, K., Mazzali, P.A., Patat, F., Hachisu, I.: "Explosive Nucleosynthesis in Aspherical Hypernova Explosions and Late Time Spectra of SN1998bw"ApJ. 565. 405-412 (2002)
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[Publications] Umeda, H., Nomoto, K.: "Nucleosynthesis of Zinc and Iron-Peak Elements in Pop III Type II Supernovae: Comparison with Abundances of Very Metal-Poor Halo Starts"ApJ. 565. 385-407 (2002)
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[Publications] Podsiadlowski, Ph., Nomoto, K., Maeda, K., Nakamura, T., Mazzali, P., Schmidt, B.: "Formation of the Black Hole in Nova Scorpii"ApJ. 567. 491-502 (2002)
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[Publications] Nakamura, T., Umeda, H., Iwamoto, K., Nomoto, K., Hashimoto, M., Hix, W.R., Thielemann, F.-K.: "Explosive Nuclesynthesis in Hypernovae"ApJ. 555. 880-899 (2001)
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[Publications] Nakamura, T., Mazzali, P.A., Nomoto, K., Iwamoto, K.: "Light Curve and Spectral Models for the Hypernova SN1998bw Associated with GRB980425"ApJ. 550. 991-999 (2001)
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[Publications] Mazzali, P.A., Nomoto, K., Patat, F.: "The Nebular Spectra of the Hypernova SN1998bw and Evidence for Asymmetry"ApJ. 559. 1047-1053 (2001)