2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640244
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
花岡 庸一郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (10238040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北井 礼三郎 京都大学, 理学部, 助教授 (40169850)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70193456)
桜井 隆 国立天文台, 太陽物理学研究系, 教授 (40114491)
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Keywords | 太陽フレア / リアルタイム画像処理 / Hα像観測 |
Research Abstract |
本研究では、太陽フレアの高時間分解能観測を実現するための高速Hαカメラを開発し、国立天文台三鷹のフレア望遠鏡に設置した。2001年7月から定常観測を行っている。 高速Hαカメラは、太陽フレアにおいて高エネルギー粒子が起こす時間変化の速いHα増光現象をとらえることを目的としている。このために画像をカメラから取り込みつつ同時に時間分解能を損なわない速さでデータを記録していく、という高速データ処理が必要となる。一般に太陽の光学観測では、画像積算・画質の判断・位置ずれの計算など、高フレームレートの画像をリアルタイムでより複雑な処理を行うことが要求される場合が多いため、汎用性の高い実時間太陽観測画像処理システムの開発を行い、その一応用として高速Hαカメラを実現した。 高速Hαカメラの実際の運用では、毎日の観測中に画像を30秒ごとおよび0.5秒ごとに取得して記録する。30秒毎のデータは一日の太陽の活動状況を示すものとして、そのまま保存する。一方、0.5秒毎のデータは太陽フレアの研究のための高時間分解能データであり、大量になるため、フレアの時間帯のみを保存する。このため、フレアの自動検出アルゴリズムを開発した。これにもとづいて観測終了後に30秒毎のデータからフレアを自動検出し、その時間帯のみを高時間分解能データから切り出して保存している。 定常観測開始以後、2001年7月〜2002年1月の間に206個のフレアを観測しており、現在も太陽活動が活発なこともあってフレアが次々にとらえられている。データは共同利用に供するため、とらえたフレアの概要がわかる画像・動画をウェブページにて公開している。 フレアにおける高エネルギー粒子の振る舞いを研究するには硬X線の観測と同時にHα観測を行うことが重要であるが、その観測装置を持つ人工衛星であるようこう衛星とは半年間の共同観測を実現し、また今後は2002年2月に打ち上げられた同様に硬X線観測装置を持つHESSI衛星との共同観測を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Hanaoka, T.Sakurai: "Determination of the magnetic loop configuration of a solar flare"Earth Planets Space. 53巻. 593-596 (2001)
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[Publications] T.Sakurai, J.Shin: "Interpolation of One-and Two-Dimensional Images with Pixelwise Photon Number Conservation"Publications of the Astronomical Society of Japan. 53巻2号. 361-380 (2001)
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[Publications] H.Wang, Y.Yan, T.Sakurai: "Topology of Magnetic Field and Coronal Heating in Solar Active Regions"Solar Physics. 201巻2号. 323-336 (2001)
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[Publications] T.Sakurai et al.: "A Flexible Prism used as an Image Stabilizer"Solar Physics. 205巻1号. 201-208 (2002)
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[Publications] Choudhary, D.P., Sakurai, T., Venkatakrishnan, P.: "Chromospheric Magnetic Field of Solar Active Regions"Astrophysical Journal. 560巻1号. 439-444 (2001)
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[Publications] T.Sakurai et al.: "Sunspot Magnetic Fields Observed with a Large-Format Infrared Array"Publications of the Astronomical Society of Japan. 53巻5号. 923-930 (2001)