2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太田 信義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90167304)
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Keywords | ブラックホール / 非摂動論的解析 / 超弦理論 / 行列理論 / 量子論 / 双対性 / -AdS / CFT対応 |
Research Abstract |
本研究では、超弦理論の低エネルギー極限で実現されている超重力理論の非摂動的古典解であるブレイン解を用いて、その物理的応用を考えました。ブレインの上で実現している有効理論を調べることが、ブラックホールをより深く理解していくためには重要です。我々はこの有効理論として特に空間座標が非可換な非可換ヤンミルズ理論だけではなく、時間と空間の座標が非可換性を持つ場合も解析し、それが一般に場の理論ではなく弦理論としてしか意味をもてないことを調べました。またその面白い性質として、デュアリティの下での理論の振る舞いを詳しく解析し、理論の非摂動的な解析への足がかりを与えました。さらに超重力による解析にとどまらず、実際の場の理論を3次元時空の場合に構成して、そのデュアリティの下での変換性を具体的に調べ、非摂動的に大変面白い結果を得ました。これらの結果は学術雑誌Progress of Theoretical Physicsに掲載されました。 またこれらの理論をローレンツ変換することにより、それまで独立に構成され関連のない理論であると考えられていた光錐的非可換性を持つ理論が、実はローレンツ変換をすることにより容易に得られることも示しました。この結果も学術雑誌Journal of High Energy Physicsに掲載されています。 さらにこれらの解をいろいろな極限として含み、これらを統一的に記述できるようなより一般のブレイン解を考え、それがどのようにいろいろな解を再現したり、つないでいるかを系統的に調べ、この解がブラックホールの物理を解析する際のてがかりとして重要であることを見ました。この成果は学術雑誌Physics Lettersに掲載されました。またここで構成した一般的な解を用いて、非可換時空の理論を統一的に記述する開ブレインの理論を導出し、それがどのようにいろいろな非可換理論を再現するのかという問題と、この理論の含む対称性を明らかにしました。これも学術雑誌Journal of High Energy Physicsに掲載されています。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.-G.Cai: "(F1,D1,D3) Bound States, Its Scaling Limits and SL (2,Z) Duality"Progress of Theoretical Physics. 104. 1073-1087 (2000)
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[Publications] R.-G.Cai: "Lorentz Transformation and Light-Like Noncommutative SYM"Journal of High Energy Physics. 0010. 036 (2000)
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[Publications] N.Ohta: "Noncommutative Gauge Dynamics from Brane Configurations with Background B Field"Progress of Theoretical Physics. 105. 287-299 (2001)
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[Publications] E.Bergshoeff: "M-Brane Interpolations and (2,0) Renormalization Group Flow"Physics Letters. B495. 201-206 (2000)
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[Publications] R.-G.Cai: "OM Theory and V-duality"Journal of High Energy Physics. 0102. 024 (2001)
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[Publications] R.-G.Cai: "Proceedings of the XXXth High Energy Conference"World Scientific. (2000)