2002 Fiscal Year Annual Research Report
N^*(1535)及びΔ(1232)の電磁形状因子に関する研究
Project/Area Number |
12640273
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 透 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10135650)
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Keywords | 核子共鳴 / 電子散乱 / ニュートリノ反応 / デルタ共鳴 |
Research Abstract |
核子、核子共鳴の電磁形状因子及び弱電流による形状因子は、ハドロンの構造を理解する際に重要な情報を与える物理量の一つである。 前年度までの中間子交換模型によるΔ共鳴領域のp(e, e'π^0)反応研究はJefferson研究所による高運動量移行領域のデータをよく説明し、その結果NΔ遷移因子(磁気双極子形状因子(M1)、電気的4重極子形状因子(E2))に関する知見を得た。これらの成果は国際研究集会BARYON2002(Jlab), International Baldin Seminor(Dubna)の招待講演で発表された。 本年度は、Δ共鳴領域のπ中間子光、電子発生反応において構築された模型を拡張し、弱い相互作用によるπ中間子発生反応(ν+N→l+π+N)の研究を行った。軸性ベクトル流によるΔ遷移形状因子(G^A_<NΔ>(Q^2))の研究はそれ自身バリオンの構造研究に貴重な情報を与えるのみならず、加速器による原子核を標的とするニュートリノ振動研究におけるパイ中間子発生閾値以上の反応機構を明らかにするために重要である。我々の中間子交換模型を用いた解析の結果得られたG^A_<NΔ>(0)は、従来の解析による結論とは異なり、SU(6)の対称性を用いたクォーク模型の予言値と実験誤差の範囲内で矛盾がないことが分かった。この結果は国際研究集会"Hadron Structure and GeV Electroweak reactions"(ANL)で発表されまた、日米セミナー'原子核におけるカイラルダイナミックス"(ハワイ)、国際研究集会MENU2003(北京)における招待講演で発表される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T, -S.H.Lee, T.Sato: "Dynamical Model of Electroweak Pion Production Deactions"Few-Body Systems Suppl.. (in print).
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[Publications] T.Sato: "Electromagnetic production of pion & in the resonance region -theoretical aspects-"Proc. of Baryon2002. (in print).
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[Publications] T.Sato: "Pion electroproduction on the Δ_<33> resonance region"Proc. of International Baldin Seminor. (in print).
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[Publications] S.Nakamura, T.Sato, V.Gudkov, K.Kubodera: "Neutrino reactions on the deuteron"Phys. Rev.. C63. 0346M1-0346M18 (2001)