2001 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素18核の核異性体二次ビームによるクーロン励起
Project/Area Number |
12640282
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森川 恒安 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (00274423)
|
Keywords | 二次ビーム / 反跳躍核分離装置 / 集団励起状態 / クーロン励起 / 核異性体 / 核構造 |
Research Abstract |
ビーム開発:当初目標としていたフツ素18二次ビームを生成するのは加速器および反跳核分離装置の制限から当面は困難であると判断されたため、より条件の良いナトリウム22についての開発を進める事とした。この目的のためにフッ素19の一次ビームとヘリウム4ガス標的を組み合わせた逆運動学的核融合反応によりナトリウム22不安定核を生成し、反跳核分離装置を用いて二次ビームとして一次ビームから分離し、最終焦点面におけるエネルギー、スポットの形状などについて調べた。結果、ナトリウム22の10価イオンについて、反跳エネルギーの中心値から±10%の拡がりの範囲内に於いては、一次ビームの散乱に起因するバックグラウンドは問題とならず、非常に純度の高いナトリウム22の二次ビームが得られることが確認できた。一方、11価のイオンについては反跳エネルギーの中心値から-6%の位置に、散乱した一次ビームの漏れ込みによる強いバックグラウンドが観測された。ナトリウム22の10価のイオンを用いた場合、二次ビーム強度としては毎秒10の4乗個を得ることが可能であり、二次反応実験に必要な強度が実現できることが明らかとなった。 ビームモニタ検出器の開発:ビーム調整や実験に必要な反跳核分離装置の最終焦点面に設置する二次元位置感応型の荷電粒子モニタ検出器を開発した。この検出器はプラスティックシンチレータと位置感応型光電子増倍管を組み合わせたもので、放射線損傷・高計数率に耐え、かつTOF測定に適した高速の時間応答を有する。とくに本研究のような逆運動学的手法による二次ビーム実験に於いては一次ビームの散乱に起因するバックグラウンドが問題となることが多く、様々な二次ビーム実験に於いてこのモニタ装置が非常に有効に働くと期待される。
|
-
[Publications] T.Morikawa: "Coulomb excitation experiments with low-energy unstable nuclear beams at CRIB"CNS Report of CNS/RIKEN Workshop on Physics with Low-Energy RI Beams, CNS-REP-42. 42. 180-185 (2001)
-
[Publications] N.Ikeda, T.Morikawa et al.: "Secondary beam separation with recoil mass separator at Kyushu university tandem accelerator laboratory"PRoc. of the Fourth Italy-Jaopan Symposium on Heavy Ion Physics, Tokyo/Wako, Sep. 2001, World Scientific. (in press). (2002)
-
[Publications] T.Morikawa et al.: "Production of Na-22 secondary beam at KUTL RMS"Kyushu university Tandem Accelerator Laboratory Report. 8(in press). (2002)
-
[Publications] T.Fukagawa, T.Morikawa et al.: "Development of new focal plane detector for KUTL RMS"Kyushu university Tandem Accelerator Laboratory Report. 8(in press). (2002)
-
[Publications] T.Morikawa et al.: "A new charged particle detector system for secondary beam Coulomb excitation"Kyushu university Tandem Accelerator Laboratory Report. 8(in press). (2002)