2000 Fiscal Year Annual Research Report
地下低エネルギー素粒子研究に必要な中性子起源バックグランド精密調査
Project/Area Number |
12640283
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大隅 秀晃 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (70176882)
|
Keywords | 二重ベータ崩壊 / 地下実験室 / バックグランド / ニュートリノ |
Research Abstract |
1.フランスFrejus地下実験室(LSM,Laboratoire Souterrain de Modane,水深換算の深さ4800m)ではNEMO3二重ベータ崩壊実験の建設が進行中である。目標は、モリブデン-100等の原子核を試料に用いることにより、ニュートリノが放出されない二重ベータ崩壊を観測することによるニュートリノの性質の調査および質量(質量探査限界0.1eV)の測定である。本研究計画は、この研究に必要とされている地下実験室のガンマ線や中性子によるバックグランドの精密調査である。この調査を海外共同研究者であるフランスのCENBG研究所のPhilippe HUBERT教授のグループとの共同で行っている。 2.この調査のため地下実験室に設置されたNaI検出器を用いて、(1)遮蔽なし(2)中性子の遮蔽に重点をおいたボロン化ポリエチレンシールド、(3)ガンマ線の遮蔽に重点をおいた鉛シールド、という3条件で長期間測定を行った。これは,原子核による中性子捕獲後にガンマ線が放出される等の影響があり周辺にある物質の影響を定量的に正しく評価するためである。実際にバックグランドのガンマ線フラックスは中性子のフラックスにより大きな影響を受けていることがわかった。3条件の測定結果から、地下実験室内の生のバックグランドを正しく評価し、実際のNEMO3の実験装置内のバックグランドをモンテカルロシミュレーションを利用して評価し、最終的にニュートリノが放出されない現象の観測に対するS/N比を評価するという作業が進行中である。
|
Research Products
(1 results)