2000 Fiscal Year Annual Research Report
γ線,電子線によるK中間子生成過程およびハイペロン偏極量,終状態相互作用の研究
Project/Area Number |
12640297
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
宮川 和也 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70219731)
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Keywords | ハイペロン / K中間子生成 / ハイペロン,核子相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は (a)γ+d→K^++Λ(Σ)+N (b)γ+^3He→K^++Λ(Σ)+N+N (c)e+d→e+K^++Λ(Σ)+N (d)e+^3He→e+K^++Λ(Σ)+N+N 反応でのinclusive、exclusive断面積、偏極量などの系統的な解析を行い、K中間子の生成過程および終状態でのハイペロン-核子間相互作用の知見を得ようというものであり(Nは核子の略)、本年度の計画は 1.上記の反応(a)において、終状態のkinematicsを広く変え、ハイペロン-核子終状態相互作用の解析に最適な条件を探す 2.反応(c)の計算コード開発を行うことであった。1.については、K中間子の放出角度を広い範囲にわたって変え、また様々な偏極量-放出ハイペロンの偏極、ビーム光子の偏極、およびビーム、ハイペロンの2重偏極(double polarization)-についての数値計算を行った。その結果、予想外であるが、比較的大きなK中間子の放出角に対しても散乱断面積は急速には減少しないことが判明した。また、特筆すべきことに、2重偏極C_zに対して終状態ハイペロン-核子相互作用の効果が非常に敏感であるとの知見が得られた。いくつかの"現実的"相互作用モデルは、大きく異なるC_zを与えており、Spring8などでの実験結果が期待される。 2.については、C.Bennholdらの協力の下に、素過程e+N→e+K^++Λ(Σ)の振幅を取り入れ、計算コードを完成した。さらにsemi-exclusive反応d(e,e′K^+)断面積の計算を開始した。運動量移行Q^2および放出電子の角度θ_eを変え計算を行ったが、Q^2、θ_eを適当に選べば、Σ閾値近傍に顕著なハイペロン-核子相互作用によるピークが得られるとの知見を得ている。
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