2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640300
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
稲垣 隆雄 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (60044757)
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Keywords | 光学結晶 / 放射線計測 / カロリメーター |
Research Abstract |
フッカ鉛結晶の製作技術の確立と電磁型カロリメーターへの応用を探ることが、本研究の目的である。そもそも、フッカ鉛は透明な光学結晶であるが蛍光物質ではないので、放射線測定器としての信号はチェレンコフ光によって得られる。その点で、今まで使われてきた鉛ガラスに比べて、比重と屈折率が大きく短波長まで透明なフッカ鉛は、特性が大きく異なり、特にバックグランドが高い環境での素粒子・原子核実験への応用が期待される。 平成12年度及び13年度前半では、結晶の育成と研磨等、結晶の製作を行った。最終的には、全面研磨後の寸法が2cm平方断面で、長さが10cmの結晶を9本製作できた。それらは、分光透過率で見て、これまで報告された結晶の中でも最高の品質をもつものである。しかしながら一方で、結晶の製作が困難を伴うことも分かった。結晶を成長させた後の研磨段階で割れてしまうものが多い。成長時の高温での結晶構造と常温のそれが異なる為に、常温時に2つの構造が共存して内部に応力を残すためであることをつきとめたが、製作技術の確立までは至らなかった。一方、13年度後半にはこの9本をカロリメーターとして組み上げて高エネルギー電子線やπ/μビームを使った実験を行い、現在解析をしている。また、現在私達が進めているK中間子稀崩壊実験で、フッカ鉛カロリメーターを利用する可能性を検討する為に、蛍光体とチェレンコフ物質を組み合わせて使うことで高エネルギーの中性子とガンマー線を分離するという応用研究も行った。それについてはモデルテストを行って結果を公表した。
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Research Products
(1 results)