2000 Fiscal Year Annual Research Report
γ線バースト、超強磁場中性子星、最エネルギー宇宙線の起源
Project/Area Number |
12640302
|
Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
村上 敏夫 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系・高エネルギー第3, 助教授 (60092350)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴崎 徳明 立教大学, 理学部・物理, 教授 (50206124)
|
Keywords | ガンマ線バースト / 中性子星 / パルサー / X線星 / 宇宙線 |
Research Abstract |
村上は、ASCA衛星とChandra衛星を使って、γ線バーストの起源を研究した。X線残光に鉄の輝線を見い出す観測研究である。1997年に、ASCA衛星の観測したγ線バーストに、鉄の輝線が存在すると主張したが、鉄輝線から導かれる距離が、母銀河の光学観測の距離と一致しないために、広い支持を得られなかった。1999年にChandra衛星を使ってX線残光を見る機会を得て、母銀河の距離と一致する鉄の輝線とともに、放射性再結合による鉄の輝線構造を見いだした。ASCA衛星による1997年の結果も、この放射性再結合と考えると母銀河の距離と一致することから、矛盾の解決を得た。イタリアのBeppoSAXによる観測と合わせて、γ線バーストのX線残光に鉄が存在することは確立した。これで、γ線バーストの起源をmassiveな星と考えことは妥当だろう。 柴崎は、中性子星内部に存在する超流体渦糸の性質と振る舞いについて研究を行った。渦糸の平衡形状にはキンクが存在するが、中性子星の回転軸が結晶の主軸から傾くとキンクの数は増えること、キンク1つをつくるのに約8MeVのエネルギーが必要で、渦糸の振動にはケルヴィンと回転の2つのモードが存在する。励起あるいは伝播する波の振動数には最小値がある。よってインナークラストの渦糸は原子核格子にピン止めされていると結論される。また、SS433にみられるジェットの構造と放射について研究した。中心天体の近くではジェットは超高温で、イオンと電子の温度が異なった2温度構造になっている。またジェット内側の部分からはガンマ線が多量に放射されていると考えられる。γ線バーストの残光について、ジェットモデルの観点から研究を行った。残光の光度曲線に見られる幾つかの波長で同時に起こる折れ曲がりを再現することができた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Piro,L. 他: "Observation of X-ray lines from gamma-ray burst (GRB991216)"Science. 290. 955-958 (2000)
-
[Publications] Yonetoku,D. 他: "Upper Limits of Iron Line Flux in X-Ray After glow"Publ.Astron.Soc.Japan. 52. 509-513 (2000)
-
[Publications] Hurley,K. 他: "ASCA Observation of Quiescent X-Ray counter part"Astro.Phys.Journal. 528. 21-24 (2000)
-
[Publications] Wood,P. 他: "Timing Noise in SGR 1806-20"Astro.Phys.Journal. 535. 55-58 (2000)
-
[Publications] Murakami,T. 他: "Deep Searches for Pulsations in SGR1627-41 and 0526-66"American Institute of Physics. 526. 786-790 (2000)
-
[Publications] Inoue,H. 他: "Analytical Studies on the Structure of the SS433 Jets"Publ.Astron.Soc.Japan. 53. 127-132 (2001)