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2000 Fiscal Year Annual Research Report

分子性結晶におけるX線回折を用いた圧力誘起構造相転移の研究

Research Project

Project/Area Number 12640307
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

山浦 淳一  東京大学, 物性研究所, 助手 (80292762)

Keywords分子性導体 / 高圧X線回折 / 一次元電子系
Research Abstract

研究の目的は、主に分子性導体をターゲットにし、圧力下での粉末X線回折の手法を用いて、高圧下での結晶構造の情報を得るための装置開発と測定、解析手法を確立することである。この目的を実現するために、初年度の目標として技術的熟練を要しない粉末X線回折用ダイヤモンドアンビルセルの設計製作を行い、そのセットアップを検討し実験を行った。
今回製作されたダイヤモンドアンビルセルは、直径35mmと小型であらゆるX線回折計に利用可能なものになった。加えて、圧力セル本体の上下部分が精密に平行度をだせる機構になっており、高圧までの発生が可能になっている。また、構造解析のためのデータ収集には、回折角の高い所まで測定可能である必要があるが、本圧力セルは、開口角90度と圧力とセルサイズから考えて、ほぼ強度限界に近い値を実現できた。実験に用いる回折計は、本研究室に設置してある、イメージングプレート型回折計で、この装置は角度分解能が高いため対称性の低い物質でも、回折ピークの重なりが押さえられる。
実際の試料を用いての測定には、純一次元電子系を有する分子性導体Me_4X(CPDT-TCNQ)_2(X=N,As)を用いた。この系は、非常に純粋な一次元系でありながら135K(X=N、185K(X=As)まで金属的伝導を示し、カチオンの違いによって基底状態が異なった絶縁化を起こす物質である。今回のダイヤモンドアンビルセルで圧力下X線回折実験を行った結果、Me_4N塩において7.9kbar以上で(0,2b,0)の長周期を、Me_4As塩において5<P<9.5kbarで(2a,0,0)の長周期とP>9.5kbarで(2a,2b,0)の長周期を観測した。Me_4As塩の長周期出現の方向は、低温のそれと異なっており、その原因は非常に興味がもたれる。これを明らかにするため、現在、構造解析用のデータを収集しているところである。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] J.Yamaura: "Cation effect on structural and physical properties of purely one-dimensional electronic system [D](CPDT-TCNQ)_2[D=Cation]"Synth.Metals. (in press).

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

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