2000 Fiscal Year Annual Research Report
A_2BX_4型ハロゲン化合物の置換効果とその経験則の研究
Project/Area Number |
12640322
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
清水 文直 いわき明星大学, 理工学部, 講師 (20206212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 真一 いわき明星大学, 理工学部, 助手 (20306096)
高重 正明 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (70114527)
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Keywords | 強誘電体 / 相転移 / パイロ電気 / 斜方晶 / β-K_2SO_4構造 / 単斜晶 / Sr_2GeS_4構造 / 単結晶 |
Research Abstract |
強誘電体Rb_2CdI_4の単結晶育成を行い、銀電極ではなく、ヨウ素と反応のない金電極を施した試料を作成し、精密に誘電率の測定およびパイロ電気測定を行った。強誘電性の発見当初はあまりに激しい相転移のためにT_c(=210K)において試料が砕けてしまい、そのために加熱時の誘電率が冷却時に比較して極端に小さくなるのではないかと考えていたのだが、金電極に替えたことによって、実際には冷却・加熱において誘電率、パイロ電気ともに非常に再現性の良いことが分かった。誘電率の測定の結果は、T_c以上ではキュリーワイス則に良く一致しており、キュリーワイス定数Cは2170と求められた。またパイロ電気の値は4K付近において約0.4μC/cm^2であり、キュリーワイス定数Cと共に、この系統の強誘電体であるK_2ZnBr_4などと類似した値をとることが分かった。 また、β-K_2SO_4斜方晶系をとるとの報告があるTl_2CoCl_4を、Bridgman法により単結晶に近いものを育成することができた。誘電率の測定により、3軸方向にはそれぞれ120K付近にブロードな異常が存在することが分かった。このほかにa軸方向では73Kに明瞭な相転移が存在し、この温度域以下で強誘電的D-E履歴曲線が観測できた。それから見積もられる自発分極P_sの値は約4.5nC/cm^2で、これは初期の結晶で得られたP_sの値の約10倍である。T_c以下65K付近までは飽和した履歴曲線が観測でき、P_sの温度依存性も明らかにできた。したがってTl_2CoCl_4がA_2BX_4型ハロゲン化合物の中でも、かなり低温側にT_cを持つ強誘電体であることは間違いのないところである。今後は得られた結晶を元に、Rb_2ZnCl_4群強誘電体のようにTl_2CoCl_4においても、不整合相の存在があって整合相へ相転移し、整合相以下で強誘電性が現れるのかどうか、明らかにしていきたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Shimizu and M.Takashige: "Dielectric Properties of Ferroelectric Rb_2CdI_4"Journal of the Physical Society of Japan. 69・12. 4055-4059 (2000)
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[Publications] F.Shimizu,T.Kurihama,T.Yamaguchi and M.Takashige: "Dielectric Properties of Tl_2CoCl_4"Ferroelectrics. (掲載決定).