2001 Fiscal Year Annual Research Report
八面体および四面体構造中の遷移金属の局所電子構造のATS散乱による研究
Project/Area Number |
12640323
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石田 興太郎 東京理科大学, 理工学部, 教授 (30012404)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國分 淳 東京理科大学, 理工学部, 助手 (90318204)
加藤 弘之 東京理科大学, 理工学部, 助手 (80084482)
|
Keywords | ATS散乱 / ヘマタイト / 赤鉄鉱 / 赤銅鉱 / X線磁気散乱 / 双極子遷移 / 四重極子遷移 |
Research Abstract |
今年度はGeのK-吸収端における共鳴散乱の低温測定を高エネルギー研の放射光施設で行った。ヘマタイト(赤鉄鉱、Fe_2O_3)および赤銅鉱(Cu_2O)についても昨年に引き続き鉄および銅のK-吸収端近傍でATS散乱の測定を行った。主な結果は 1.Geにおいては002、006の共鳴散乱が吸収端出見られた。それらの温度依存性から、この原因は格子振動似よって引き起こされたとの結論に達した。また、低温において、温度の現象と共に強度が増加する非共鳴の散乱を観測したが、この原因に付いては未解決である。 2.昨年報告した、ヘマタイトの吸収端(7.1114KeV)の少し下、7.103〜7.105KeVに双極子近似では説明のできない003ATS散乱ピーク方位角依存性は3回対称あり、この原因は、双極子-四重極子散乱と純粋な四重極子散乱であることを明らかにした。また、009の測定より、従来電気的散乱より十分小さいとしてきた磁気的散乱もこの共鳴散乱に寄与していると推論した。 3.赤銅鉱については、昨年プレエッジピークは存在しないことを明らかにしたが、吸収端の少し上の非常に強い双極子遷移によるATS散乱の非対角項は他の結晶、磁鉄鉱0.3、黄鉄鉱0.2に比べて赤鉄鉱1.9と非常に大きいことを示した。
|
Research Products
(1 results)