2000 Fiscal Year Annual Research Report
Filled Skutterudite型化合物の研究
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12640339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 直也 東京大学, 物性研究所, 助手 (80242171)
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Keywords | 充填スクッテルダイト / 非フェルミ流体 |
Research Abstract |
充填スクッテルダイト化合物の示す多彩な物性の1つにCeRu_4Sb_<12>の非フェルミ流体的振る舞いがある。本年度はこの振る舞いの解明に重点をおいた。非フェルミ流体的振る舞いは、非磁性-磁性転移近傍の不安定な状態に起因すると考えられている。それを証明する1つの手段は、小さな摂動によって実際に磁気転移を起こさせることである。そのために、Ce_<1-x>La_xRu_4Sb_<12>を育成し、物性研究を行った。その結果、磁気転移は起きなかったが、La置換によって非フェルミ流体的振る舞いが急激に消失する事が示された。これによって、Ceイオンの周期性が非フェルミ流体的振る舞いの発現に重要であることが明らかになった。また、磁場の影響を調べた結果、磁場によって非フェルミ流体的振る舞いは消失し、フェルミ流体となることが示された。このような結果は、磁性-非磁性近傍にあると考えられている他の物質においても観測されており、CeRu_4Sb_<12>の異常物性が磁性-非磁性近傍にある間接的証拠といえる。実験結果の詳細な解析により、この物質は強磁性近傍にあると考えられる。Ce濃度の増加により、系統的に強磁性転移点に近づいていく結果が得られた。 La置換はCeの周期性を壊すため、Ceはそのままにし、SbをPで置換する方法が考えられる。現在CeRu_4Sb_<12-x>P_xの試料合成方法を検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Takeda and M.Ishikawa: "Superconductivity and Magnetic Propertiesof Filled Skutterudite Compounds RERu4Sb12"J.Phys.Soc.Jpn. 69. 868-873 (2000)
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[Publications] N.Takeda and M.Ishikawa: "Magnetic Field Effect on Non-Fermi Liquid Behaviors in CeRu4Sb12"Physica. B281&282. 388-390 (2000)