2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640346
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 耕作 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90013515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩章 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90311737)
藤本 聡 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10263063)
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Keywords | 高温超伝導 / Sr_2RuO_4 / スピン三重項超伝導 / 電子相関 / 遷移金属酸化物 / 重い電子系 / 擬ギャップ / モット転移 |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体の低ドープ領域の擬ギャップの理論を重点課題として研究した。これまで引力から出発して、その擬2次元的な系における超伝導揺らぎによって擬ギャップが起こることを導いてきた。今回は斥力Uのハバードモデルから出発し、超伝導を導くと共に超伝導揺らぎによる擬ギャップも導出することに成功した。一般的な斥力の強さの場合の理論は我々のものが世界で最初である。斥力Uが大きい極限では名古屋の理論グループによっても為されているが、我々のものが自然な方法であり、現実的であると考えられる。従来、擬ギャップはスピンギャップと呼ばれスピンのみがギャップをもち、電荷はギャップを持たず、スピン電荷の分離が起こるとする考え方も世界中で広く信じられてきた。そのような異常なことではなく、Fermi液体から出発して説明できることが明らかになった。 さらに同じハミルト二アンで電子数を増やすと、いわゆる電子ドープ系の超伝導が説明できることが示された。この結果、様々のドーピングに対応する電子数に対して、高温超伝導が普遍的にハバードモデルで説明できることが明らかになった。 スピン三重項の超伝導体であるSr_2RuO_4の超伝導の起源とその機構は重要な研究課題であり、多くの提案がなされている。このような現状において、我々はハバード模型を用いて、その斥力Uの3次までの摂動計算で、スピン3重項の超伝導が起こることを示した。 以上の結果から、クーロン斥力から、d-波やp-波の超伝導が相関の強い電子系で実現するという極めて重要な結果が導かれた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Yanase,T.Jujo and K.Yamada: "Theory on Superconducting Transition from Pseudogap State"J.Phys.Soc.Jpn.. 69・11. 3664-3677 (2000)
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[Publications] T.Nomura and K.Yamada: "Perturbation Theory of Spin-Triplet Superconductitity for Sr_2RuO_4"J.Phys.Soc.Jpn.. 69・11. 3678-3688 (2000)
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[Publications] K.Yamada,S.Koikegami,Y.Yanase,T.Jujo and T.Nomura: "Theory of High Temperature Superconductivity based on Fermi Liquid Theory"Jour.Phys.Chem.Solids. 62. 75-81 (2000)
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[Publications] Zhenji Li and K.Yamada: "Study of Superconductivity Based on the Nozieres-Schmitt-Rink Formalism"J.Phys.Soc.Jpn.. 70・3(to be published). (2001)
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[Publications] Y.Yanase and K.Yamada: "Pseudogap Phenomena and Superconducting Fluctuations in Hubbard Model for High T_c Cuprates"J.Phys.Soc.Jpn.. 70・7(to be published). (2001)
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[Publications] 柳瀬陽一,重城貴信,山田耕作: "高温超伝導体の擬ギャップの理論"固体物理. 35・7. 484-494 (2000)