2000 Fiscal Year Annual Research Report
ノンコリニア磁性状態と磁気ひずみ効果に関する第一原理的研究
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12640349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 直 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 竜樹 金沢大学, 理学部, 講師 (30272941)
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Keywords | 局所密度汎関数近似 / 分子動力学 / ウルトラソフト擬ポテンシャル法 / 第一原理格子振動計算 / ノンコリニア磁性 / スピン道相互作用 / 液体酸素 / 圧力誘起超伝導 |
Research Abstract |
今年度はウルトラソフト擬ポテンシャル法を用いたリンの圧力誘起構造相転移と第一原理ノンコリニア磁気構造計算コードの開発を行い以下に示す成果を得た。 1.リンにおける圧力誘起構造相転移 Vb族元素リンの単純立方(sc)構造、単純六方(sh)構造、体心立方(bcc)構造における電子状態をウルトラソフト擬ポテンシャル法を用いて計算し、sc→sh→bcc転移圧力を見積もったところ、それぞれ120(107-132)GPa、257(262)GPa(括弧内は実験値)となり実験値と近い値が得られた。この結果は、実験的に未確定であったsh後の構造としてbcc構造を強く示唆する。 2.第一原理ノンコリニア磁気構造計算コードの開発 本年度の研究成果は、主に(1)第一原理ノンコリニア磁気構造計算コードの並列化に改良を加え現実的な系においてその効率を議論したこと、(2)ノンコリニア磁気構造計算コードを磁性をもつ各種の系に適用したことである。(1)に関しては、並列計算効率について10台前後まで調べたが、台数が多くなると効率が理論性能の50%を割るようになり、今後さらなる検討も必要であることが、分かった。しかし、実際の計算においては、並列処理することで実際の処理時間の短縮とメモリの許容量の拡大が実現されている。(2)では応用計算に適用され大きな効果を得ている。特に液体酸素の系においては、非常に興味深い成果を得つつある。最後に、スピン-軌道相互作用を計算コードに設備するため関係論文の収集を行ってインストール方法に関して検討し、具体的な計算表式を書き下すまでに至った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Yamanaka: "Generalized spin-density functional calculation for the spin frustrated systems."Mol.Cryst.Liq.Cryst. 343. 139-144 (2000)
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[Publications] I.Hamada : "Theoretical Study on Pressure-Induced Structural Phase Transitions in Phosphorus."Rev.High Press.Sci.Tech.. 8. 467-470 (2000)
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[Publications] S.Yamanaka: "Generalized Spin Density Functional Theory for Non-Collinear Molecular Magnetism."Int.Jour.Quan.Chem.. 80. 664-671 (2000)
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[Publications] T.Oda : "Tight-Binding Molecular-Dynamics with the Fermi Operator Expansion : Application to Liquid Carbons."Prog.Theor.Phys., Suppl.. 138. 124-125 (2000)
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[Publications] M.Geshi: "Electronic Structures and Phase Transitions of Selenium under High Pressure with FLAPW method."Prog.Theor.Phys.Suppl.. 138. 249-250 (2000)