2002 Fiscal Year Annual Research Report
ノンコリニア磁性状態と磁気ひずみ効果に関する第一原理的研究
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12640349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 直 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 竜樹 金沢大学, 理学部, 講師 (30272941)
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Keywords | 局所密度汎関数近似 / 分子動力学 / ウルトラソフト擬ポテンシャル法 / ノンコリニア磁性 / 第一原理格子振動計算 / 線形応答理論 / 液体酸素 / 固体酸素 |
Research Abstract |
(1)ノンコリニアー磁性の第一原理分子動力学計算コードの開発 昨年までに開発してきたノンコリニアー磁性の第一原理分子動力学計算コードについて次のような改良・拡張を行った:(A)計算コードの並列処理高速化、(B)一般化密度勾配近似計算への拡張(C)結晶系への拡張、(D)金属系への拡張 (C)では、基本並進部分を除いた空間群の対称操作をあらかじめ計算コードに入力として与えることにより電荷密度の対称化を行い、ほとんどのブラベ格子に対応するセルを計算可能にした。また、(D)では、擬固有値行列を導入することによりフェルミ準位付近の波動関数の更新をスムースに行うことに成功した。これにより、アルミニウムやシリコンの融点直上の液体に適用して分子動力学を行うことも可能となった。 (2)線形応答理論に基づく格子振動計算コード開発 擬ポテンシャルと平面波基底を用いて、変分的密度汎関数摂動論に基づく第一原理格子振動計算プログラムの実装を行った。我々の方法の特徴は、まず第1に、原子変位に対する波動関数と電荷密度の応答を線形応答の範囲内で全エネルギーの二階微分を最小化することにより最適化したことと、第2に、一次の波動関数の最適化(エネルギーの二階微分の最小化)の方法として、初めてdamped molecular dynamics法とLagrangeの未定乗数法を採用したプログラムコードを開発したことである。この方法は単純ではあるが、非常に安定した波動関数の収束が得られると同時に、計算にかかる労力などは他のエネルギー最小化の方法と同様、無摂動系の計算と同程度で済むことが確認された。また、この方法は、非常に単純で、既存のCar-Parrinello分子動力学コードに密度汎関数摂動論を実装するのに非常に適したものであり、今後原子変位に限らない様々な摂動に対する応答関数の計算コードの開発の基礎となり得るものである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Kawamoto: "Association Simulation by a Metallic Car-Parrinello Dynamics"Int. J. Quantum Chem. 91. 165-170 (2003)
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[Publications] T.Oda: "Ab Initio Molecular Dynamics Investigation of the Structure and the Noncollinear Magnetism in Liquid Oxygen : Occurrence of O_4 Molecular Units"Phys. Rev. Lett.. 89. 197204(4) (2002)
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[Publications] N.Suzuki: "Theoretical Study on Lattice Dynamics and Electron-phonon interaction of Vanadium under High Pressures"J. Phys. : Condens. Matter. 14,No.44. 10869-10872 (2002)
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[Publications] M.Geshi: "Electronic Structure and Space Group of the Orthorhombic Selenium under High Pressure"J. Phys. : Condens. Matter. 14,No.44. 10885-10890 (2002)
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[Publications] N.Suzuki: "First-Principles Calculation of Lattice Dynamics of bcc and hcp Iron under High Pressures"Pressure Research. 22. 451-454 (2002)