2001 Fiscal Year Annual Research Report
希土類鉄窒素化合物Sm-Fe-N系磁石の保磁力機構の解明
Project/Area Number |
12640351
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折茂 慎一 広島大学, 総合科学部, 助手 (40284129)
浴野 稔一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40185103)
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Keywords | 永久磁石 / 保磁力 / 粒径依存 / 表面洗浄効果 / 窒素化合物 / Sm-Fe-N磁石 |
Research Abstract |
平成13年度は、高圧窒素ガスを用いた作製された希土類鉄窒素化合物Sm_2Fe_<17>N_3をモデル系として、保磁力低下の機構を解明する研究を行った。まず、(1)メカニカルミリング法によって粉末粒径を細かくし保磁力の粒径依存性を評価した。その結果、粒径が2μm以上では、保磁力は粒径の減少に比例して増大した。これによって、Sm_2Fe_<17>N_3粉末粒子の保磁力を支配している磁化反転機構が逆磁区の核生成(ニュークリエーション型)によっていることが明らかとなった。しかし、(2)2μm以下では保磁力は飽和し、ミリングによる歪みの蓄積や粒表面の元素分解などによるニュークリエーションサイトの増大からくる保磁力減少効果と粒径の減少による保磁力の増大効果が競合した結果であることを見出した。(3)この時、ミリング条件(400rpm,60min)において、磁石性能指数(BH)_<max>=330kJ/m^3の世界最高値を得た。更に、(4)Znとの複合化によって、Sm_2Fe_<17>N_3粉末粒子の表面洗浄効果の研究を行った。その結果、保磁力は、表面洗浄によって著しく増大し、保磁力はSm_2Fe_<17>N_3粉末粒子表面の逆磁区の核生成(ニュークリエーション型)によって支配されていることを明らかにした。(4)この時、保磁力は温度と共に単調に減少するが、表面洗浄する前は、その減少の度合いが大きく、異方性磁界H_Aの2乗則に従っているが、表面洗浄後は、その減少の割合は小さく、H_Aに比例した。(5)これらの発見は、保磁力低下の起源が、逆磁区の核生成(ニュークリエーション型)サイトの生成機構のみならず、そのサイト間の相関がさらに重要であることを明らかにしたもので、今後の磁石材料の設計に極めて重要な情報を与えるものである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] I.Sasaki, H.Fujii: "Coercivity of Sm_2Fe_<17>N_3 particles prepared by MG without exusing in air"IEEE Trans.Magn.. 35. 3319-3321 (1999)
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[Publications] K.Koyama, H.Fujii: "Nitrogen gas〜solid reaction process and basic magnetism of the interstitially modified rare earth 3d-transition Nitrides R_2Fe_<17>N_3"Phys.Rev.. 61. 9475-9493 (2000)
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[Publications] I.Sasaki et al.: "Permnanent Magnetic properties in some Sm_2Fe_<17>N_3 Particle prepared by changing Mechanical Milling Conditions"Proc.of 11th Symposium on Magnetic Anisotropy and Coercivity in Rare Earth Alloys. S155-S163 (2000)
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[Publications] H.Fujii et al.: "Interstitial alloys as hard magnetic materials"J.Magn.Magn.Mat.. (in press). (2002)