2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640370
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
平田 隆幸 福井大学, 工学部, 助教授 (20202278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 淳司 福井大学, 工学部, 助手 (70242584)
原田 義文 福井大学, 工学部, 教授 (60020202)
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Keywords | すべり現象 / 摩擦 / 自己組織化臨界現象 / 多体disk / フラストレーション / 1 / fゆらぎ / ステックスリップ / 地震 |
Research Abstract |
すべりの多体disk模型は、すべり面間の介在物を2次元の多体diskによってモデル化したものである。すべりの多体disk模型のモデル実験をおこなうことにより、トルク時系列が1/fゆらぎをもつこと、stick-slipのサイズ分布がべき乗法則にしたがうことが明らかになってきている。本研究では、介在物をモデル化したdisk層の厚さや系にかけるせん断応力の歪み速度を系統的に変えたモデル実験をおこない、1/fゆらぎ、stick-slipのサイズ分布におけるべき乗則など時空間でのスケーリング構造が、実験条件(disk層の厚さ(3〜4層)、せん断応力をくわえる速度(角速度:1/8〜1/80Hz)、diskの充填密度(0.74〜0.79)を変えても成立していることを明らかにした。 マクロな挙動としてのトルク時系列の計測と同時に、すべりの多体disk模型におけるミクロな素過程として、個々のdiskのダイナミックな挙動をCCD video camera recorderによって計測した。膨大なvideo画像データを解析するためのコンピュータをもちいた画像解析システムの開発し、diskの接触ネットワークや個々のdiskの移動、回転などのデータを得ることに成功した。その結果、個々のdiskの挙動というミクロな素過程と、stick-slipの発生というマクロな挙動の間の対応関係を見つけることができた。また、粉粒体系としての多体disk系における応力分布を調べるため、光弾性応力可視化実験装置の開発をおこない、予備的な実験結果として、応力チェインを得ることができた。さらに、不規則格子上の反強磁性相互作用をもつIsing spin系という観点からすべりの多体disk模型の考察をおこない、フラストレーションという概念によってstick-slipが説明できることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平田隆幸: "摩擦の物理-プレートの運動と摩擦-"固体物理. 35. 591-595 (2000)
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[Publications] 平田隆幸: "粉粒体系での応力伝達ネットワークをみるための光弾性実験装置の開発"福井大学工学部研究報告. 49. (2001)
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[Publications] Takayuki Hirata: "A many-body disk model of slip phenomena : An implication to earthquake faulting"Seismogenic Process Monitoring. (2001)
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[Publications] 吉村龍明: "不規則格子上のIsing Spin系の最低エネルギー状態のスピン配置"形の科学会誌. 15. 146-157 (2000)