2000 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスケール領域からの高分子ゲルの体積相転移の研究
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12640383
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
窪田 健二 群馬大学, 工学部, 教授 (40153332)
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Keywords | メゾスケール / 高分子ゲル / 体積相転移 / ゲル微粒子 / ゲルの不均一性 / 光散乱 / 疎水性相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、高分子ゲルが示す体積相転移現象、その中でも、特に注目すべき不連続相転移について、ゲル内部の構造の不均一性の問題をゲルのサイズと関係づけて解明していくものとして企図された。ゲルの物性・統計性が、ゲル生成プロセス時の統計性が凍結されていることに強く影響されていることから様々なゲル作成法によるゲル試料について体積相転移の現れ方を比較検討すること、また、不均一性の空間サイズと関係づけて様々なサイズのゲルを作成し、同様に体積相転移の現れ方を比較検討すること課題をした。平成12年度においては、まず第1にそのような種々の作成法、サイズのゲル試料を準備すること、第2にはその際に必要となる最適な界面活性剤を決定すること、そして、第3には実際に測定解析していくためのシステム作りに着手することを行ってきた。現在の段階まででは、数種の界面活性剤についてのテストを行ってきたが完全に最適な界面活性剤の選択、また、作成方法の最適法の確立にまでは残念ながら至ってはいない。しかし、100nm程度から400nm程度のゲル微粒子の作成については成功してきた。また、1粒子観察のための蛍光プローブの導入、それにもとづいた蛍光顕微鏡観察システムについても予備的な実験は完了することが出来た。400nm程度のゲル微粒子(NiPAMゲル)の観察では、100nm程度の場合と同様、連続な体積相転移の存在を確認している。さらには、超音波の音速測定を併用することにより、バルクゲルでは観察できなかったゲル内部の局所的な水和状態についても、新たな知見を得てきている。これらによって、ゲル微粒子分散系での光散乱、蛍光、音速測定の3つを組み合わせることが、ゲルの体積相転移と膨潤・収縮過程でのゲル内部の局所構造との関係を明らかにしていく上で有効な方法であることが明らかにできた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 窪田健二,宮崎和裕: "PNnPAMゲル微粒子の体積相転移と蛍光応答"Polymer Preprints, Japan. 49. 589-589 (2000)
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[Publications] 小暮広行,窪田健二: "サブミクロンNnPAMゲルビーズの温度応答"Polymer Preprints, Japan. 49. 3609-3610 (2000)
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[Publications] Y.Mo,K.Kubota,and K.Nishinari: "Rheological evidence of the gelation behavior of hyaluronan-gellan mixtures"Biorheology. 37. 401-408 (2000)
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[Publications] A.Hiroki,Y.Maekawa,M.Yoshida,K.Kubota,and R.Katakai: "Volume phase transitions of poly (acryloyl-L-proline methyl ester) gels in response to water-alcohol"Polymer. 42. 1863-1867 (2001)
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[Publications] H.Kogure and K.Kubota: "Thermal Response of Polymer Gel and Ultrasonic Velocity"Transactions of the Material Research Society of Japan. (in press). (2001)
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[Publications] R.Kita,M.Kaibara,and K.Kubota: "Sol-gel transition and gel structure of rod-shaped protein"Transactions of the Material Research Society of Japan. (in press). (2001)