2000 Fiscal Year Annual Research Report
火口近傍における広帯域地震観測に基づく火山性地震・微動の発生機構の研究
Project/Area Number |
12640403
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井田 喜明 東京大学, 地震研究所, 教授 (30013535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助手 (40262084)
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Keywords | 浅間山 / 広帯域地震観測 / 火山性地震・微動 / マグマ / 火山ガス |
Research Abstract |
本研究の目的は,浅間山山頂火口近傍の常設地震観測網による観測に加え広帯域地震観測を行って,浅間山山頂火口直下で発生する火山性地震・微動の特徴を広い周波数帯域にわたって明らかにすることにある.本年度は,落雷によリデータ回収が不能になっていた常設地震観測網の復旧を行った.この山頂火口近傍の常設観測点のデータは,火山性地震・微動の震源をより精度良く決めるばかりでなく,地震・微動のタイプわけ,基本的な発生メカニズムの決定に重要である.山頂のデータがモニターできるようになったことを受け,広帯域地震観測をする前段階として地震・微動の発生状況を調べた.これによると,現在は浅間山直下の地震活動は比較的活発で,浅間山で発生する典型的な火山性地震・微動が各種発生していることがわかった.特にマグマや火山性ガスが関与していると思われる低周波地震も頻発している.これにより,広帯域地震計の設置場所,方法の検討を行い,山頂火口に近接する火口監視カメラ局舎内に設置することを決定した.平成13年度初頭の山頂の雪解け後には観測を開始する.これから得られるデータを解析することによって,火山性地震・微動の長周期側の特徴を明らかにする.また,浅間山の現状として,山頂より放出される噴気活動がここ数年活発化していることから,噴気をモニターする遠望観測も実施することを計画した.これは,地震活動の推移と噴気活動の関係を調べることで,火山性地震・微動の群発活動への火山性ガスの関与の仕方を明らかにするためであり,特に低周波地震の発生と火山性流体との関係を解明する重要な観測となる.
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