2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640420
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Research Institution | Tokyo University of Fisheries |
Principal Investigator |
松山 優治 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00092594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北出 裕二郎 東京水産大学, 水産学部, 助手 (50281001)
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Keywords | 急潮 / 暖水進入 / 黒潮流路変動 / 傾圧不安定 / 沿岸密度流 / 相模湾 / 係留系観測 / 数値モデル |
Research Abstract |
本研究は黒潮の流路変動によって引き起こされる急潮の発生機構と沿岸への進入過程を、係留系による流速観測、人工衛星データの解析、数値モデル実験などにより明らかにすることを目的とした。急潮の被害の最も大きい相模湾を対象海域に選んで大島西水道に流速計と温度計を係留し、黒潮の沿岸への影響をモニターした。平行して、相模湾沿岸に神奈川県水産総合研究所・防災科学研究所との共同研究として、沿岸の5点に流速計を係留し、急潮を捕える事を試みたが沿岸での急潮は見られなかった。2000年1月22日に、大島東水道から黒潮系水の進入があり、沿岸の定置網(総計5ヶ統)に甚大な漁具被害を起こす急潮が発生した。現象は沿岸を反時計回りに約60cm/sの速度で進んだ。この暖水の進入に伴う水温変化は5〜6℃に達し、最も大きい東京湾口では9〜10℃の上昇が見られた。この時、黒潮は非大蛇行離岸流路から大蛇行流路に移行する過程で起こっていることが分かった。 本研究では、過去に暖水流入により起こった急潮を調べ、特に流速記録のあるものを抽出して解析した。1998年6月1日に起こった急潮は大島東水道から流入した暖水が湾内を反時計回りに移動していたことが分かった。一方、1994年1月9日の急潮は大島西水道から流入した暖水による急潮であった。急潮は相模湾内では反時計回りに移動する沿岸密度流の構造を持っていることが観測から明らかになった。1998年の急潮は黒潮流路が非大蛇行接岸流路から大蛇行流路に、1994年の急潮は非大蛇行接岸流路から離岸流路に移行する過程で起こっていた。黒潮が比較的安定した3つの流路を持つが、安定した流路から別の安定した流路に移行過程で急潮が起こっている様子が分かった。 これらの観測および解析結果を踏まえて、現在、数値モデルを構築し、現象を再現することを試みている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Suzuki, T., M.Matsuyama: "Numerical Experiments on Wind-induced Circulation in Stratified Tokyo Bay, Japan"Estuary, Coastal and Shelf Science, 17-25. 50,1. 17-25 (2000)
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[Publications] Kitade, Y., M.Matsuyama: "Coastal-Trapped Waves with Several-Day Period Caused by Wind along the Southeast Coast of Honshu, Japan"Journal of Oceanography. 56. 727-744 (2000)
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[Publications] Radjawane, I. M.Matsuyama, Y.Kitade, T.Suzuki: "Numerical modeling of density-driven current in Tokyo Bay."La mer. 39. 63-75 (2001)
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[Publications] 北出裕二郎, 松山優治, 川村有二, 土谷猛: "内部潮汐波に依って起こされる内浦湾奥部の内部静振"沿岸海洋研究. 39. 51-56 (2001)
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[Publications] 北出裕二郎, 高橋静, 吉田次郎, 松山優治: "小さな矩形湾における内部性静振のエネルギー減衰過程"海の研究. 11(2)(印刷中). 259-271 (2002)
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[Publications] 家島彦一, 松山優治ほか: "海のアジア 第2巻 モンスーン文化圏"岩波書店. 301 (2000)