2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640430
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 真弘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90241257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 延枝 (島田 延枝) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 日本学術振興会特別研究員
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Keywords | 無衝突衝撃波 / 粒子加速 / 電子加速 / 数値シミュレーション / 静電ソリトン / 超新星残骸 |
Research Abstract |
無衝突衝撃波において、超音速の衝撃波上流から亜音速の下流に至る衝撃波遷移領域では、プラズマ波動を介して効率よくイオンから電子にエネルギーが輸送されていることが知られている。また同様に波動-粒子相互作用によって、電子加熱だけでなく非熱的な高エネルギー電子成分も形成されることも期待されている。これまで非熱的粒子加速では、衝撃波の上流および下流域に励起されているMHD波動の統計的散乱過程を介して粒子が加速される機構(フェルミ加速)が、数多く研究されており、広く天体現象に応用されている。しかし、波動強度は衝撃波遷移領域が最も強いので、そこでの粒子加速も重要になってくると考えられているが、フェルミ加速に比べて衝撃波遷移領域の加速機構の理解は進んでいないのが現状である。本研究では、衝撃波遷移領域での電子加速を研究する。これまで衝撃波遷移領域では、乱流的プラズマ波動が重要な役割を果たすと考えられてきたが、最近の磁気圏衛星観測によってソリトン的大振幅の静電的波動も形成されていることが発見された。本研究ではこのソリトン的波動に着目して、どのようにして衝撃波領域に静電的ソリトン波動が形成されるのか、またそのソリトンが電子加速にどのように関連するのかを研究している。本年度に得られた成果は、大規模数値シミュレーションに基づく理論計算から、臨界マッハ数を超えると、(1)衝撃波から反射される一部のイオンと衝撃波に向かって流れ込む電子の作る2流体不安定を介して、衝撃波遷移領域に静電的ソリトン波動が形成されること、(2)ソリトン波動に共鳴する電子軌道が存在し、選択的に電子が加速され非熱的成分を形成できることなどが明らかになった。超新星残骸での高エネルギー電子成分や惑星間空間での衝撃波加速への応用も考察している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Hoshino: "Small Scale Plasmoids in the Post-Plasmoid Plasma Sheet : Origin of MHD Turbulence?"Adv.Space Res.. 25. 1685-1688 (2000)
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[Publications] M.Hoshino: "Non-Gyrotropic Ions as Evidence for an X-type Neutral Region"Adv.Space Res.. 26. 425-530 (2000)
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[Publications] M.Hoshino: "Slow Shock Downstream Structure in the Magnetotail"J.Geophys.Res.. 105. 333-347 (2000)
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[Publications] N.Shimada: "Strong Electron Acceleration at High Mach Number Shock Waves : Simulation Study of Electron Dynamics"The Astrophysical Journal Letter. 543. L67-L71 (2000)
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[Publications] Y.Kasaba: "Magnetosheath electrons in anomalously low density solar wind observed by Geotail"Geophys.Res.Lett. 27. 3253-3256 (2000)
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[Publications] M.Hoshino: "Strong electron heating and Non-Maxwellian behavior in magnetic reconnection"Earth Planets and Space. (in press). (2001)