2001 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法による,ガーネットへの輝石成分の固溶効果
Project/Area Number |
12640471
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
赤松 直 高知大学, 教育学部, 助教授 (60211695)
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Keywords | 分子動力学法 / 分子動力学シミュレーション / MD / ガーネット / メージャライト固容体 / メージョライト固容体 / メジャーライト固容体 / 体積弾性率 |
Research Abstract |
本研究では,メージャライト固溶体,すなわちMg3A12Si3012(パイロープ)-Mg4Si4012(輝石成分)系のガーネット固溶体について,組成および結晶内の原子配置が諸物性に及ぼす影響を分子動力学(MD)計算によって調べた.本年度も昨年度に引き続き,1.結晶内の8面体席でMgとSiとがオーダリングを起こして分布した正方晶系固溶体 2.結晶内の8面体席でMgとSiとがランダムに分布した立方晶系固溶体 を作成し,格子定数・体積・体積弾性率・モルエンタルピーについて,組成に応じた変化および結晶内の原子配置に応じた変化を調べたが,特に固溶体を作成する際に使う乱数発生のさせ方をいろいろと変えた計算を行った.乱数発生の仕方を変えると計算結果に多少の揺らぎがでるが,以下の本質的なことがらには影響しない. 1.正方晶系の固溶体では格子定数aとcとの間にa>cの関係がある.結晶中の輝石成分の減少とともにaとcの値が徐々に接近していき,最終的にはパイロープ組成でaとcとの値が一致して立方晶系となる. 2.パイロープに近い組成範囲では,正方晶系固溶体と立方晶系固溶体との間で,体積・体積弾性率・エンタルピーの値にほとんど違いが見られない.結晶中の輝石成分が更に増加すると,立方晶系固溶体の方が正方晶系固溶体に比べて体積は相対的に大きく,体積弾性率は相対的に小さく,また高エンタルピーとなっていく. 体積弾性率の実測値(高圧X線回折の値)には,結晶中の輝石成分の増加とともに減少していく傾向がみられるが,輝石成分が80%を超えたあたりで急激に増大する.この現象は,輝石成分が80%を越える付近の組成で,8面体席におけるMgとSiとのオーダリングが生じることにより,体積弾性率の増大が生じるためと解釈できる.
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Research Products
(1 results)