2000 Fiscal Year Annual Research Report
共役π電子系ラジカルイオン種における電子-分子振動相互作用の解析
Project/Area Number |
12640486
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田隅 三生 埼玉大学, 理学部, 教授 (60011540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 章 埼玉大学, 理学部, 講師 (90262146)
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Keywords | 赤外光ファイバー / 有機ラジカルイオン / 赤外吸収スペクトル |
Research Abstract |
本年度は,種々の正負有機ラジカルイオン種を化学的に生成し,その精密な振動スペクトルを測定する方法を確立することに重点をおき,以下の研究を行った. (1)赤外光ファイバー・プローブを用いた,真空ガラス反応容器中での有機ラジカルイオン種の赤外吸収スペクトル測定法の開発 有機ラジカルイオン種の生成方法として最も確実で,かつ多くの有機分子に適用できる方法は,溶液中で中性分子を化学的にFeCl_3,SbCl_5などを用いて酸化したり,アルカリ金属で接触還元する方法である.本研究では,赤外領域を透過する比較的柔軟な光ファイバー・プローブ(カルコゲナイドガラス製,本科学研究費補助金で購入)を用いることによって,真空ガラス反応容器中でのみ安定に存在する有機ラジカル種の赤外吸収スペクトルを測定する方法を開発した.フーリエ変換赤外分光光度計(現有設備)からの干渉赤外光を,分光計の外に導き放物面鏡で赤外光ファイバーに集光した.真空保持用Oリングシールで試料(溶液)セル中に導入した赤外光ファイバーを通して赤外光を試料溶液に導き,ファイバー先端に取り付けた透過吸収測定用プローブ(本科学研究費補助金で製作)で試料溶液の赤外吸収を観測した.その後,再びもう一本の赤外光ファイバーで試料と相互作用した赤外光をHgCdTe半導体検出器(本科学研究費補助金で購入)に導き,検出したシグナルをフーリエ変換して溶液の赤外吸収スペクトルを得た. (2)低温における有機ラジカルイオン種の赤外吸収スペクトルの測定(1)で開発した測定方法では,真空ガラス反応容器中に赤外光ファイバーを導入する方法を採用するので,反応容器を冷媒に浸すことで容易に試料溶液を低温にすることができる.いくつかの有機ラジカルイオンの低温における赤外吸収スペクトルの測定を行った.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akira Sakamoto ら: "Picosecond Time-Resolved Infrared Absorption Studies on the Photoexcited States of Poly (p-phenylenevinylene)"J.Phys.Chem.A. 104. 4198-4202 (2000)
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[Publications] Masayuki Nara ら: "Temperature Dependence of Near-IR Excited Raman Spectra of Crystalline Hen Egg-White Lysozyme"Biopolymers/Biospectroscopy. 印刷中. (2001)
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[Publications] 坂本章ら: "分子軌道計算プログラムGaussian98のパーソナルコンピューター(Linux)での実行とネットワーク並列計算"CACS FORUM. 20. 135-139 (2000)
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[Publications] Mitsuo Tasumi ら: ""Group Theory and Effects of Symmetry Lowering on Vibrational Spectra" in Handbook of Vibrational Spectroscopy"J.M.Chalmers and P.R.Griffiths, eds., John Wiley & Sons, Inc.(印刷中). (2001)