2000 Fiscal Year Annual Research Report
ジオール-水混合溶液のクラスター形成に対する温度および圧力効果
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12640500
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高椋 利幸 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70291838)
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Keywords | エチレングリコール-水 / 1,5-ペンタンジオール-水 / ガラス転移点 / 高圧NMR測定セル / ^<17>O-NMR緩和法 / X線回折法 / X線・中性子小角散乱法 / 濃度ゆらぎ |
Research Abstract |
1.HO-(CH_2)_n-OH型のジオールのうちn=2,5のエチレングリコール(EG)および1,5-ペンタンジオール(PD)と水との混合溶液についてDSC測定を行った。ガラス転移点は、EGではx_<EG>=0.6-0.8でT_g=-50--70℃、PDではx_<PD>=0.2でT_g=-55℃、x_<PD>=0.8-0.9ではT_g=-50--65℃であった。 2.EGおよびPDに対し、常温常圧におけるX線回折測定を行った。得られた動径分布関数からメタノール(M)やエタノール(E)などモノオールと同様に水素結合による鎖状構造を形成していることがわかった。しかし、長距離の構造性は、モノオールと比較してジオールの方が顕著である。これは炭素鎖の両端に水酸基を持つジオールの場合、鎖状構造をより形成しやすいためと考えた。 3.高圧NMR測定セルのうち、加圧装置および圧力測定装置を光高圧機器(株)にて製作した。現在、400MPaまで到達できるガラスキャピラリー部分を作製中である。 4.モル分率x_<EG>=0.2,0.4,0.6,0.9のEG-H_2^<17>O混合溶液に対し、^<17>O-NMR緩和測定を行った。EG濃度増加にともなって単調にT_1値が減少し、水分子の回転運動が束縛されることが示唆された。メタノール-水混合溶液の場合、クラスター構造が変化するx_M=-0.3にT_1の極小値が観測されている。このことと比較すると、EGはメタノールよりも水と均一に混合しやすく、モル分率変化による急激なクラスター構造変化は起こらないと考えられた。これはEG-H_2OおよびEG-D_2O混合溶液に対するX線ならびに中性子小角散乱実験で顕著な濃度ゆらぎが観測されなかったことからも支持された。 5.メタノール-水、アセトニトリル-水および2-プロパノール-水混合溶液をX線回折法、マススペクトル法、中性子小角散乱法、光散乱法により研究し、モル分率によるクラスター構造変化ならびに溶液の混合状態を濃度ゆらぎの観点から考察した。これらを学術論文として発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Takamuku: "Structure of Clusters in Methanol-Water Binary Solutions Studied by Mass Spectrometry and X-ray Diffraction"Z.Naturforsch.. 55a. 513-525 (2000)
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[Publications] T.Takamuku: "Small-Angle Neutron Scattering Study on Aggregation in Acetonitrile-D_2O and Acetonitrile-D_2O-NaCl Mixtures"Chem.Lett.. 878-879 (2000)
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[Publications] Y.-G.Wu: "A Rayleigh Light Scattering Study on Mixing States of 2-Propanol-Water Binary Mixtures Used as Mobile Phase in Separation"Talanta. 54. 69-77 (2001)