2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640506
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
冨永 敏弘 岡山理科大学, 工学部, 教授 (30131618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹崎 誠 岡山理科大学, 工学部, 助手 (80301662)
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Keywords | 混合ミセル / 拡散係数 / ベシクル / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
C12EO8およびC12EO6の非イオン性ミセルに長鎖界面活性イオンを可溶化した混合ミセルを含む溶液について、トレーサー拡散係数と相互拡散係数を測定した。C12EO8の混合ミセルのトレーサー拡散係数はイオン性界面活性剤濃度の増大とともに単調に減少し、C12EO6の混合ミセルのそれはイオン性界面活性剤濃度の増大とともにいったん増大した後減少した。これらの結果は独立に求めたミセルの会合数とミセルの電荷の効果で説明できる。 相互拡散係数は両系ともイオン性界面活性剤濃度の増大とともに増大した。界面活性イオン電極を作成し、ミセルに可溶化されずに水相に存在する界面活性イオンの濃度を求め、その値が小さいことを確認した。また市販のイオン電極を用いて、対イオンの混合ミセルへの会合度を求めた。これらの結果から、相互拡散係数はミセルと対イオンとの静電カップリングに基づいてかなりよく説明できることがわかった。両イオン性とイオン性の混合系についても同様の検討を行った。 陰イオン性ベシクルDMPGに種々のジアルキルビオローゲンを添加した系について示差走査熱量測定および透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行い、一重膜球状ベシクルができることを確認した。動的光散乱法による拡散の結果は複雑で、さらに検討中である。これに陽イオン性および脂溶性のポルフィリンを加えて蛍光減衰を測定し、ベシクル表面および内部でのポルフィリンやビオローゲンの拡散係数を見積った。 チオール誘導体に保護された金ナノ粒子を光還元法で調製し、TEM観察から粒径を求めた。保護層の表面にイオン性ポルフィリンを吸着させて、ポルフィリンから金核へのエネルギー・電子移動速度を測定し、金核サイズの効果を明らかにした。 高分子反応の重合開始剤であるAIBNの拡散係数を測定し、AIBNから得られるラジカルの拡散と比較し、ラジカル重合反応速度との関係について検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Terazima: "Diffusion of a radical from an initiator of a free radical polymerization : A radical from AIBN"Chemical Physics Letters. 332・(5-6). 503-507 (2000)
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[Publications] Y.Nogami: "Mutual and tracer diffusion coefficients for zwitterionic and ionic mixed micellar systems : Effects of counter ions and micellar aggregation numbers"Colloids and Surfaces. 169・(1-3). 227-232 (2000)