2000 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性ハイブリッド型化合物アクアヤマイシン類の合成研究
Project/Area Number |
12640513
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 隆司 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70212222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90162940)
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Keywords | ハイブリッド型化合物 / アクアヤマイシン / 全合成 / グリコシド / 多環芳香環 |
Research Abstract |
12年度の研究では、アクアヤマイシン自身の合成を検討し、第一世代の全合成経路を開発することができた.この合成は、未だきわめて多くの課題を含むものであるが、この化合物が構造決定されて以来30年間、多くのグループが全合成を競ってきた中での初の全合成である. はじめに、官能基化されたフェノール誘導体とD-オリボシルアセタートを用いるO→C-グリコシド転位反応により、位置および立体選択的にC-グリコシド結合を形成した後、フェノール上の官能基を適切に変換し、これから対応するベンザインを発生させた.このベンザインとケテンシリルアセタールとの[2+2]付加環化反応は収率よく進行し、対応するベンゾシクロブテン誘導体を得ることができた.この化合物の四員環部を酸化的に環拡大させ、さらに官能基を経て、C-オリボシド構造を備えた3-(フェニルスルホニル)フタリド誘導体を合成することができた. 一方、6位に5炭素の側鎖を備えた2-シクロヘキセノン誘導体を合成し、これと上述のフタリド誘導体のHuser環化反応によってBCD環に相当する三環化合物を合成した.最後に、B環上のケトンと側鎖末端のアルデヒドとのピナコール形成反応によってA環部を構築し、全合成を達成した. この成果を足掛かりとし、より優れた第二、第三世代の合成を目指すとともに、より高次な構造を持つ天然型アクアヤマイシン類の合成、さらには生理活性の改善を目的とした、非天然型ハイブリッドの創製に向けて研究を進める予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takashi Matsumoto: "Synthetic Study of Aquayamycin.Part 1 : Synthesis of 3-(Phenysulfonyl) phthalides Possessing a β-C-Olivoside"Tetrahedron Letters. 41. 8383-8387 (2000)
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[Publications] Takashi Matsumoto: "Synthetic study of Aquayamycin.Part 2 : Synthesis of The AB Ring Fragment"Tetrahedron Letters. 41. 8389-8392 (2000)
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[Publications] Takashi Matsumoto: "Synthetic Study of Aquayamycin.Part 3 : First Total Synthesis "Tetrahedron Letters. 41. 8393-8396 (2000)