2000 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性を有する海洋天然物の構造解析および生合成機構の解明
Project/Area Number |
12640527
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
木村 純二 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (40082854)
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Keywords | デプシペプチド / 4-フェニルバリン / 3-アミノ-2-メチルヘキサン酸 / オキシリピン / ロリオライド / Calyptogena soyoae |
Research Abstract |
1.ハワイ産軟体動物Philinopsis speciosaから新規環状デプシペプチドを単離、構造解析を行ったところ、天然にないアミノ酸2種類(4-フェニルバリンと3-アミノ-2-メチルヘキサン酸)が含まれていた。そこで、これら4つの異性体をHeck反応とEvansの方法により合成し、Marfey法とキラルカラムを用いるHPLC分析で、デプシペプチドの全絶対配置を決定した。 2.神奈川県三浦半島で採取した褐藻Eisenia bicyclisから新規オキシリピン6種類とともに遊離ヒドロキシ脂肪酸やエクロニアラクトン類などを単離した。この中には今までにない塩素原子を含む脂肪酸誘導体や三環性化合物も含まれていた。これらの酸化機構や代謝機構の考察を行った。また、褐藻Undaria pinnatifidaからもカロテノイド代謝物である新規ロリオライド誘導体が数種得られた。 3.相模湾の深海に生息する硫化水素をエネルギー源とする二枚貝、Calyptogena soyoaeの全分析を行ったところ、まだ新規化合物、特に硫黄原子を含む化合物は見出されていない。しかし脂肪酸やアミノ酸組成に浅海に生息するそれと大きな違いがあった。脂肪酸類においては不飽和脂肪酸が少なく、アミノ酸においては含硫アミノ酸であるメチオニンの量が多く、またその立体はD-とL-体の両方がおよそ3:2で含まれており、他のチロシン、トリプトファン、イソロイシンなどはL-体のみであるという興味ある結果が得られた。 4.ハワイ産海綿Microsclerodermaから数種のテルペン類を単離した。 以上のように着々と実績をあげ、2001年度の日本化学会に発表、また論文投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Junji Kimura,: "Kulokekahikide-1, a Cytotoxic Depsipeptide from a Cephalaspidean Mollusk Philinopsis speciosa,"J.Org.Chem.,. (accepted).