2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640558
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日高 雅子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264094)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 彰則 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80274512)
井戸垣 俊弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038013)
竹田 和義 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10029548)
|
Keywords | 有機強磁性体 / 加圧下物性測定 / 加圧下比熱 / 加圧下磁化率 / 加圧下磁化 / 加圧下構造解析 |
Research Abstract |
研究の一つの目的は高圧・高磁場・超低温を複合した多重極限環境下において、有機強磁性体の本質を特徴づける複数の物理量の同時測定を行うことにより、高温で磁気転移を起こす相互作用機構を追究することである。今年度は代表的純有機強磁性体β-p-NPNN(Tc=0.61K)及びp-Cl-C_6H_4=N-TEMPO(Tc=0.28K)の加圧下物性測定(比熱、磁化率、磁化、構造解析等)とそれらの生滅機構を追究した。結果を要約すると、加圧により前者のTcは先ず下降し、約6kbarの圧力で反強磁性に転移したのち、磁気転移温度は上昇に転じる。後者のTcは圧力とともに先ず下降し、その後約2kbar毎に上下を繰り返した後、約9kbar以上では反強磁性となって上昇する。共通している点はいずれも高圧で反強磁性に転移する点である。電荷移動、β-水素メカニズム等の相互作用機構が理論的にも指摘されているが、10kbarで格子定数が約5%縮む効果では上述の変化は説明できず,基や分子団の回転が重要な役割を演じることがわかってきた. 一方加圧と共にTcが最初から上昇する例も見出したので報告する。中辻等の発見したTc=0.42Kの強磁性結晶2,5DFPNNの磁化率の圧力依存性を丁寧に測定した。19.5kbarの加圧下でもしっかりした強磁性の特徴を示していることが解った。磁気比熱で見ても、対応する転移温度あたりで鋭いピークを示していることが明らかになった。このことは分子間相互作用が3次元的にも強磁性のまま保たれており、前の2例の面間相互作用が反強磁性へ移行する場合とは対称的な結果になっている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Takeda,M.Mito,T.Kawae,M.Hitaka,H.Deguchi et al.: "Exchange interactions in pressure-induced ferromagnetic to a ntiferromagnetic transition of a genuine organic crystal"Physica B. 284-288. 1491-1492 (2000)
-
[Publications] M.Mito,T.Kawae,A.Ikegami,M.Hitaka,K.Takeda et al.: "Pressure-Induced Enhancement of Tc in a Genuine Organic Bulk-Ferromagnet"Physica B. 284-288. 1493-1494 (2000)
-
[Publications] T.KAWAE,M.MITO,M.HITAKA K.TAKEDA et al.: "Magnetic Phase Diagram of PrCo_2Si_2 with Long Period Commensurate Structure"J.Phys.Soc.Jpn.. 69・2. 586-591 (2000)
-
[Publications] M.MITO,H.AKAMA,Y.Hirata,M.HITAKA,T.KAWAE,K.TAKEDA et al.: "Pressure Effect of an S=1 Haldane Compound NDMAZ"J.Phys.Soc.Jpn.. 69・5. 1498-1502 (2000)
-
[Publications] K.TAKEDA,O.FUJITA,M.HITAKA et al.: "Site Dilution Study of a Square Lattice Heisenberg Antiferro magnet with S=5/2 Covering the Percolation Threshold"J.Phys.Soc.Jpn.. 69・11. 3696-3703 (2000)