2000 Fiscal Year Annual Research Report
ハロゲン化物イオン等の無機配位子による金属イオンの超臨界二酸化炭素への抽出分離
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12640579
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大橋 弘三郎 茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 教授 (60142923)
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Keywords | パラジウム(II) / 超臨界二酸化炭素 / 抽出定数 / 2-メチル-8-キノリノール / 組成 |
Research Abstract |
パラジウム(II)がPdCl_4^<2->として存在するような塩酸酸性溶液中で、パラジウム(II)の超臨界二酸化炭素(SF CO_2)への抽出効率は塩酸濃度の増大とともに増大する。1M塩酸ではパラジウム(II)(6.0x10^<-5>M)はほぼ100%抽出されることが見出された。抽出種はH_2PdCl_4と推定される。ところが、塩酸濃度が0.1M以上では、SF CO_2は極めて腐食性で、超臨界抽出装置特にステンレスチューブやリストリクターが腐食溶解するため、本装置を用いた詳細な検討は困難であり、更なる検討を行わなかった。今後の課題としては、耐腐食性の超臨界抽出装置の改善工夫が今後の課題である。 次に、超臨界抽出装置が腐食され難い塩酸濃度(0.1M>HCl)からのパラジウム(II)の2-メチル-8-キノリノール(HMQ)による抽出錯体の組成および抽出平衡定数を決定した。更には、抽出定数の決定において重要な定数であるHMQのSF CO_2と水間の分配定数,K_<D,SFCO2>を45℃、15.3-8.5MPaの条件下で求めた。15.3MPaでのK_<D,SFCO2>は10^<1.2>で圧力の増大とともに増大する傾向がある。8.5MPaでは、K_<D,SFCO2>は小さく求めることが困難であり、10^<1.2>と推定される。SF CO_2に抽出される錯体の組成は、通常液・液抽出において組成解析に用いられるスロープ解析によりPd(MQ)_2であることが確認された。抽出定数、K_<ex>(=[Pd(MQ)_2]_<SFCO2>[H^+]^2[Cl^-]^4[PdC1_4^<2->]^<-1>[HMQ]^<-2>)として10^<4.3>(45℃、8.5MPa)が得られた。金属イオンのキレート配位子によるSF CO_2への抽出において抽出定数が決定されたのは本研究が最初である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大橋弘三郎: "分析試薬としての8-キノリノールとその誘導体"分析化学. 49・11. 807-831 (2000)
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[Publications] J.Dugiyanagi: Progress in Nuclear Energy. 37,1-4. 435-440 (2000)