2001 Fiscal Year Annual Research Report
分裂酵母を用いたミトコンドリアDNAの維持・修復機構の解明
Project/Area Number |
12640601
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Research Institution | Okayama University of science |
Principal Investigator |
池田 正五 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (10176092)
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Keywords | 分裂酵母 / ミトコンドリア / DNA / エンドヌクレアーゼ / DNA修復 / 遺伝子破壊 |
Research Abstract |
ミトコンドリアDNA(mtDNA)の維持・修復機構にかかわる2つの酵素の性状と生理機能を解析した。まず、酸化ピリミジン塩基を認識するDNAグリコシラーゼ(NTH1)のミトコンドリアへの移行をEGFP蛍光標識法により解析した。その結果、NTH1のN末端側の配列によって核とミトコンドリアへの移行が支配されており、同じ酵素分子(NTH1)が核とミトコンドリアの遺伝子の修復に関与していることが示唆された。しかし、NTH1はヒト細胞では核に、マウス細胞ではミトコンドリアに主に局在した。これはNTH1のバックアップ酵素の存在のため、NTH1の局在が酸化損傷塩基の修復に重篤に影響しないためであると考えられた。もう一つの酵素として、哺乳類のエンドヌクレアーゼGとその分裂酵母ホモローダ(SpNUC1)について研究した.エンドヌクレアーゼGの活性はミトコンドリアにあるリン脂質、ポリアミンや一本鎖結合タンパク質により影響された。また、SpNUC1のcDNAクローニング、組換えタンパク質の発現と精製、ミトコンドリアへの移行の証明、その遺伝子の破壊などを行った。3pNUC1の酵素化学的性質は、哺乳類のエンドヌクレアーゼGとほとんど類似していた。遺伝子破壊株やSpNUC1過剰発現株を用いた解析で、ミトコンドリア機能やmtDNA量の形質変化を調べたが、ほとんど見い出すことができなかった。ミトコンドリアニンドヌクレアーゼがmtDNAに直接作用しているかどうか、現時点では不明である。しかし、SpNUC1の発現量が、生育の定常期から死滅期にかけて数倍増加し、またDNA損傷剤で強く処理することにより増加した。これらのことはSpNUC1がプログラム細胞死と関連していることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shogo Ikeda: "Isolation and characterization of the Schizosaccharomyces pombe cDNA encoding the mitochondrial endonuclease"Biochim. Biophys. Acta. 1519. 111-116 (2001)
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[Publications] Shogo Ikeda: "Mitochondrial Factors Modulate the Activity of Endonuclease G, the Major Nuclease of Mammalian Mitocthondria"J. Biochem. Mol. Biol. Biophys.. 6. 17-21 (2002)
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[Publications] Shogo Ikeda: "Characterization of bidirectional promoter of mouse endonucleas III (Nthl1) and tuberous sclerosis 2 (Tsc2) genes"Bull. Okayama Univ. Sci. 37A. 43-48 (2002)
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[Publications] Shogo Ikeda: "Deoxyribonuclease II purified from Euglena gracilis SM-ZK, a chloroplast-lacking mutant : Comparison with porcine spleen deoxyribonuclease II"Comp. Biochem. Physiol., part B. 131. 519-525 (2002)
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[Publications] Yuichi Seki: "Sequencing analysis of a putative human O-sialoglycoprotein endopeputidase gene (OSGEP) and analysis of a bidirectional promoter between the OSGEP and APEX genes"Gene. (in press). (2002)