Research Abstract |
●植物の抵抗生と寄生性菌類の病原性の間にみられる遺伝子=遺伝子相互作用のもとでの軍拡競争的共進化過程の解明と、抵抗品種の混殖、多重抵抗品種の導入などの防除策の効果を共進化動態モデルの上で解析し、評価した(Sasaki A, Proc. R. Soc. Lond. B, 2000; Iwanaga A, Sasaki A., in review)。また、メタ個体群構造のもとで振動の非同調性を解析した(Sasaki A, Hamilton WD, Ubeda F, Proc. R. Soc. Lond. B, 2002) ●HIVや病原性バクテリアの薬剤耐性の発達を考慮した薬剤の最適投与戦略を解析し、強すぎる薬剤の投与は逆に薬剤耐性菌の発達確率を上昇させることを、有限集団確率モデルで示した。またHIV抗原多様性進化における有限集団の効果を解析した(Sasaki A, Haraguchi Y, J. Mol. Biol., 2000). ●[病原生復帰突然変異を考慮したポリオウイルス根絶計画]生ワクチン株からの一定の割合で病原性復帰株が生じる過程を取り入れて、ウイルス根絶確率を最大にするワクチン接種計画を予測した(Haraguchi Y, Sasaki A, Yoshida H, Am. J. Epidem., in review)。 ●マラリアと日本脳炎を例に媒介蚊の吸血動物(家畜とヒト)選択性を利用した根絶計画(zooprophylaxis)を理論的に解析し、媒介蚊の選択性と殺虫剤抵抗性の進化による根絶失敗を未然に防ぐ防除方法を開発した(Kawaguchi I, Sasaki A, Mogi M, Proc. R. Soc. Lond. B, in review). ●デング熱感染に見られるenhancementがデングウイルス抗原型の共存におよぼす影響を理論的に解析した(Kawaguchi I, Sasaki A, Boots M, in review). ●空間構造や接触ネットワーク構造が病原体の流行とビルレンスの進化に及ぼす影響をペア近似を元に解析した(Haraguchi Y, Sasaki A, J. theor. Biol., 2000; Boots M, Sasaki A, Am. Nat., 2002; Boots M, Sasaki A, Ecology Letters, 2000). ●感染症の季節性と病原体抗原型間の交差免疫のもとでの病原体多抗原型流行パタンを解析した(Kamo M, Sasaki A, Physica D, 2002).
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