2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640622
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Research Institution | RIKKYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上田 恵介 立教大学, 理学部, 教授 (00213348)
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Keywords | 托卵 / 共進化 / 托卵鳥 / カッコウ / ジュウイチ / 宿主 |
Research Abstract |
ジュウイチCuculus fugaxの黄色い翼角は暗い巣の中で仮親を騙して雛の数を多く見せかけ,つまり雛の数を擬態し,そしてより多く餌を運ばせるために進化したのではないかという仮説を立て、3年間にわたり、野外においてビデオ観察および染色実験を行った.この結果,実験的操作によって翼角が見えなくすると宿主であるルリビタキの給餌頻度は下がる傾向が見られた.また,ビデオ観察によって実際に仮親が誤って翼角に給餌を試みるのを確認することができた.学会講演は、1.ルリビタキ雄の羽色の二型は給餌能力や巣内ビナの性比に影響しているのか(日本鳥学会大会、京都)2001年10月(森本元・牛田義一・上田恵介) 2.ルリビタキにおける性的二型の発現遅延と雌による選り好み(第4回日本進化学会大会、東京)2002年8月(森本元・上田恵介) 3.カッコウのヒナの羽色の意味(日本鳥学会大会、東京)2002年9月(中村千尋・今西貞夫・上田恵介) 4.托卵のへたな托卵鳥-ジュウイチの托卵、4年間、3カ所での動向-(日本鳥学会大会、東京)2002年9月(森本元・田中啓太・上田恵介) 5.ジュウイチの雛の適応戦略(日本鳥学会大会東京)2002年9月(田中啓太・森本元・上田恵介) 6.ジュウイチの雛の奇妙な翼角-その形態と行動は何を意味するのか-(日本動物行動学会大会、東京)2002年11月(田中啓太・森本元・上田恵介) 7.ルリビタキ(日本動物行動学会大会、東京)2002年11月(森本元・田中啓太・上田恵介) 8.ジュウイチの雛の奇妙な翼角-その形態と行動は何を意味するのか-(日本生態学会大会、つくば)2003年3月(田中啓太・森本元・上田恵介)なお、発表論文は、宿主であるコルリについての2本(和、英各1本)と、ジュウイチの翼角についての論文(英、投稿中)である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田村實, 上田恵介: "コルリの繁殖生態"Strix. vol.19. 11-20 (2001)
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[Publications] Tamura, M., Ueda, K.: "Female song in the Siberian Blue Robin Luscinia cyane.."J. Yamashina. Inst. Ornithol.. vol.32. 86-90 (2001)