2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640627
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
円谷 陽一 埼玉大学, 理学部, 教授 (10142233)
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Keywords | 細胞壁 / ペクチン / ガラクツロン酸 / ガラクツロン酸転移酵素 |
Research Abstract |
ペクチンは高等植物細胞壁の主要な構成多糖の一つである。その構造は、ガラクツロン酸(GalA)がα-1,4-結合で連なったポリガラクツロン酸(polyGalA)が主であり、GalAの一部はメチル基やアセチル基で修飾されている。本研究では、ペクチンの合成機構に着目して、polyGalAにGalAを転移させて糖鎖の伸長反応を触媒するガラクツロン酸転移酵素の(GTase)の諸性質を明らかにすることを目的とした。 1.GTaseの活性測定:アズキ(Vigna angularis)を25℃、暗所、7日間生育し、胚軸から粗膜画分を調製して酵素源とした。UDP-[^<14>C]GalAは市販UDP-[^<14>C]グルクロン酸を酵素で4-エピマー化して調製した。GTaseの活性測定は50mM MES-KOH緩衝液(pH6.8)中で0.3mM UDP-[^<14>C]GalA(1.6nCi)を供与体とし、2mg/ml polyGalAへの放射活性の取込み量を測定して求めた。 2.酵素の性質:酵素の最適作用pHは6.8〜7.5であり、最適作用温度は25〜35℃である。酵素活性にはMn^<2+>が必須であり、5mM Mn^<2+>を加えることにより比活性が約40倍に高まる。また、界面活性剤として0.5%Triton X-100を加えると活性が2〜3倍増加する。重合度の高いpolyGalAよりも低いpolyGalA(酸可溶性、分子量約10,000)が良好な受容体となる。酸可溶性polyGalAに対する見かけのK_m値は0.02mg/ml、V_<max>は1660pmol/min/mg proteinである。また、UDP-GalAに対する見かけのK_m値は0.11mM、V_<max>は2400pmol/min/mg proteinである。反応産物をDionex製HPLCで分析すると[^<14>C]GalAが受容体に取り込まれてpolyGalAの鎖長が伸長することが確認された。
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Research Products
(1 results)