2000 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の生殖内分泌系におけるペプチドホルモン受容体の解析
Project/Area Number |
12640645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 民根 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228694)
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Keywords | ペプチドホルモン / ホルモン受容体 / 生殖内分泌系 / GnRH / ゴナドトロピン / 生殖腺 / 下垂体 / 脊椎動物 |
Research Abstract |
生殖内分泌系にかかわるペプチドホルモンとその受容体の遺伝子情報を各種の脊椎動物(特に爬虫類)から同定し、脊椎動物生殖内分泌系の特徴とその進化を解明することが本研究の目的である。このために、本年度は次のような実験結果が得られた。 1)Guinea pigのGnRH受容体のクローニング: 特殊なGnRH分子種をもつGuineapigのGnRH受容体の遺伝子を単離・解析した。そのアミノ酸配列は他の哺乳類受容体との大きい違いは見られなかったが、げっ歯類特異的な特徴として思われた糖修飾部位やアミノ酸欠落部位は存在しなかった。既知のGnRH種との結合能及び情報伝達能を調べ、GnRH情報伝達機構の分子解明を行う予定である。 2)GnRHの新しい生理機能の探索: 脊椎動物で下垂体が出現する前のGnRHの生理機能を解明し、生殖内分泌系の起源と進化を探るために、GnRHの新しい生理機能の探索を行った。本年度の研究ではGnRHの細胞コロニー形成率で対する強い影響を持っていることが明らかになった。今後、このような現象の分子機構を明らかにしていく予定である。 3)爬虫類飼育コロニーの立上げ: 最も研究が進んでいない脊椎動物動物種は爬虫類であるので、今後安定した爬虫類での研究展開を進めるために、実験動物として利用可能な動物種を選定し、その飼育と繁殖を試みた。その結果、マダガスカル産のソメワケササクレヤモリ(Paroedura pictus)とインド西北部に分布するヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)が最も実験動物として適していた。特にソメワケササクレヤモリは6ヶ月以下で性成熟に達し、優れた繁殖率を持っていた。今後、爬虫類の中心的な実験動物として利用していく予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fujii Y.,Mori,T.,Park,M.K.: "Cloning and mRNA expressions of guinea pig GnRH receptor."Zoological Science. 17・Supp. 11 (2000)
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[Publications] 朴民根 ら: "ホルモンから見た生命"講談社、ブルバックス(印刷中).