2000 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリにおけるメラニン細胞刺激ホルモン調節系の分子機構に関する解析
Project/Area Number |
12640650
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 栄 岡山大学, 理学部, 助手 (20226989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 純夫 岡山大学, 理学部, 教授 (90144807)
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Keywords | メラニン細胞刺激ホルモン / メラノコルチン / アグチ関連ペプチド / ニワトリ / 網膜 / 網膜分化・発生 |
Research Abstract |
本研究課題では、(1)ニワトリの5種類のメラノコルチン受容体を発現する細胞株を作製し、リガンド特性を解明すること、および、(2)MSH調節系関連遺伝子発現細胞の同定により、MSHの生理作用を検索することを目的とした。(1)に関しては、すべてのメラノコルチン受容体遺伝子について、形質導入するための分子構築を終え、来年度、これらの遺伝子を発現する細胞株の作製並びに各受容体の薬理学的解析を行う予定である。一方、(2)に関しては、ニワトリの孵卵胚期の網膜色素上皮細胞においてMSHの発現を検出した。この発現は、胚期に特徴的なものであり、孵化後MSHの発現は神経網膜に移行する。MSHの発現時期が神経網膜の分化時期に一致すること、MSHの受容体であるメラノコルチン1受容体(CMC1)、CMC4、およびCMC5受容体が神経網膜に発現することから、眼球内に発現するMSHは傍分泌的に眼の発生分化に関係しているものと考えられる。この眼球内におけるMSH発現の検出は、鳥類の末梢におけるMSHの発現を実証した初めてのものである。この眼球内メラノコルチン調節系にアグチ関連ペプチド(AGRP)が関与しているのかを調べるため、AGRPmRNAの発現を調べた。その結果、全ての細胞種でAGRPが産生されていることが判明した。このことは、我々が以前に報告した仮説、すなわちニワトリではAGRPがubiquitousに発現していることを裏付ける結果であった。これらの結果は、イギリスの内分泌学会が発行するJournal of Endocrinologyに掲載されることが決まっている。
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Research Products
(1 results)