2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640655
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 正則 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (30257349)
|
Keywords | 概日時計 / コオロギ / 初期胚 / 孵化 / プラナリア / メラトニン / セロトニン / 脳 |
Research Abstract |
1.概日時計の機能を調節する分子の1つであるメラトニン(N-アセチル-5-メトキシトリプタミン)が卵胞液中に比較的高濃度で存在することから、マウス卵母細胞をメラトニンを含む培養液で培養し、その受精率と卵割速度を調べた。その結果、メラトニンが受精と卵割を促進することを明らかにした。 2.脳をもつ最も原始的な動物であると考えられているプラナリアにおいても、メラトニン前駆体であるセロトニンが存在することを明らかにした。セロトニンは主に脳などの神経系に局在していた。また、このセロトニン含量は明期に高く、暗期に低い日周リズムを示した。また、恒暗環境下でもこのリズムを維持した。従って、プラナリアにおけるセロトニン含量は概日リズムを示めすことと、概日時計が存在することを主張した。 3.コオロギ卵を明暗環境下で培養したとき、卵は明期の開始期に孵化した。また、また、この現象は恒暗環境下で卵を培養したときでも見られた。また、卵を発生中期にのみ、明暗環境下に置いただけで、卵の孵化は明暗周期に同調させることができた。以上のことから、コオロギ卵に孵化をコントロールする概日時計が存在すること、この時計は胚発生中期には形成され、機能していること及び明暗周期に同調する機構を保持していることを立証した。 4.コオロギ成体を2群に分け、位相が12時間異なる明暗周期下で飼育し、これらの成体が産んだ卵を恒暗環境下で培養し、孵化する時間帯を調べた。上記2群から得られた卵の孵化時間帯はほぼ12時間ずれていた。この結果と上記3を併せると、コオロギ初期胚に存在する概日時計の機能は母体由来の因子による影響を受けている可能性が示唆された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ishizuka,B.,Kuribayashi,Y.,Murai,K.,Amemiya,A.,Itoh,M.T.: "The effect of melatonin on in vitro fertilization and embryo development in mice"Journal of Pineal Research. 28-1. 48-51 (2000)
-
[Publications] Itoh,M.T.,Igarashi,J.: "Circadian rhythm of serotonin levels in planarians"Neuroreport. 11-3. 473-476 (2000)
-
[Publications] Ishizuka,B.,Fusama,S.,Hirai,K.,Hosaka,T.,Hamada,N.,Amemiya,A.,Itoh,M.T.: "Melatonin secretion from organ-cultured pinela glands of rat : modulation by gonadectomy and gonadotropin-releasing hormone agonist administration"European of Journal of Endocrinology. 142-4. 387-392 (2000)
-
[Publications] Abe,M.,Itoh,M.T.,Miyata,M.,Shimizu,K.,Sumi,Y.: "Circadian rhythm of serotonin N-acetyltransferase activity in rat lens"Experimental Eye Research. 70-6. 805-808 (2000)
-
[Publications] Itoh,M.T.,Sumi,Y.: "Circadian clock controlling egg hatching in the cricket (Gryllus bimaculatus)"Journal of Biological Rhythms. 15-3. 241-245 (2000)
-
[Publications] Itoh,M.T.,Ishizuka,B.,Kuribayashi,Y.,Abe,Y.,Sumi,Y.: "Noradrenaline concentrations in human preovulatory follicular fluid exceed those in peripheral plasma"Experimental and Clinical Endocrinology and Diabetes. 108-8. 506-509 (2000)