2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640657
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
長山 俊樹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80218031)
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Keywords | アメリカザリガニ / 逃避行動 / 学習 / 記憶 / 馴化 / 保持 / LG / シナプス |
Research Abstract |
ザリガニ逃避行動が起こる際、接触感覚入力は感覚ニューロンから直接LGへ伝達される経路と上行性介在ニューロン経由で間接的に伝達される経路がある。従来馴化は感覚ニューロンから上行性介在ニューロンへのシナプス伝達過程で起こる化学的シナプス伝達効率の低下によると考えられてきたが、改めて馴化成立時の神経機構を再検討することを目的に、感覚刺激に対するLG並びに各介在ニューロンの応答を電気生理学的・薬理学的手法を用いて解析した結果、1)上行性介在ニューロン並びに局在性介在ニューロンではLGの馴化前後で感覚刺激に対する応答性の変化が全く観察されないのに対して、LGでは刺激繰り返しでそのスパイク応答が消失することを確認、刺激強度を徐々に上げていくと最初は2つの成分(α及びβ成分)からなるEPSP(興奮性シナプス後電位)応答を示すLGが、スパイクを生じる直前の刺激に3つ目のEPSP成分(α'成分)がα-β成分の中間に加わった新たなシナプス応答を示すこと、2)このα'成分が認められてはじめてLGがスパイク応答すること、3)繰り返し刺激に対しLGが馴化を示す時、このα'成分が消失してしまうこと、4)過分極性電流注入によってこのα'成分のシナプス電位の振幅だけが選択的に増加すること、及び5)感覚ニューロンから放出される神経伝達物質であるアセチルコリン拮抗薬のクラーレ灌流下で、α'成分のシナプス電位振幅が可逆的に減少することを明らかにした。6)そして、尾扇肢単一感覚毛刺激実験より、多くの感覚ニューロンはLGに対し電気的シナプスを形成しているが、一部の感覚ニューロンはLGに化学的シナプスを形成していることを発見し、この感覚ニューロンからLGへのダイレクトな化学的シナプスがα'成分を形成し、繰り返し刺激によってこの感覚ニューロンからのシナプス伝達効率が減少することで馴化が形成されるという結論に至った。
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Research Products
(1 results)