2000 Fiscal Year Annual Research Report
「2ドメイン」構造をもつ酵母ヘモグロビンの分子生理学的研究
Project/Area Number |
12640659
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松岡 有樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30222293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 玄一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00197360)
四釜 慶治 弘前大学, 教育学部, 教授 (40004337)
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Keywords | ヘモグロビン / ミオグロビン / 酵母 / 自動酸化反応 / 大量発現系 / 2ドメイン構造 / フラビン / 酸触媒 |
Research Abstract |
我々は1992年にCandida酵母を大量に培養して、そこからヘモグロビン様タンパク質を単離精製し、その全一次構造を世界に先駆けて決定した。しかしこのタンパク質の発現量は極めて低く、広範な構造論的研究や反応論的研究を展開することは困難であった。そこで、本研究ではまず酵母ヘモグロビンのcDNAを調製し、それを大腸菌にトランスフォームして大量発現系を構築した。 形質転換した菌体からwild typeの酵母ヘモグロビンを単離精製し、吸収スペクトルやNADHを添加した場合のヘム鉄(III)の還元反応などを調べ、酵母菌由来のnativeなものと同様な性質を有していることをまず確認した。次に、酵母ヘモグロビンに結合した酸素分子の安定性を調べるため、オキシ型(HbO_2)からメト型(metHb)への自動酸化速度を、25℃、0.1M buffer中で、pH3-9までの広い領域に渡って測定した。その結果、酵母ヘモグロビンのpH-profileは、マッコウクジラの場合とは大きく異なり、酸性領域における傾きはn=-0.5と緩やかであることが明らかとなった。従って、酵母ヘモグロビンの自動酸化反応には、遠位Hisを介して発現される酸触媒項が含まれていないものと結論された。また、wild type酵母ヘモグロビンの円偏光二色性を測定した結果、そのα-helix含量は約44%と見積もられた。 現在、酵母ヘモグロビンの酸素結合領域(ヘムドメイン)のみを発現させる系を構築中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Korenaga,S.: "A primitive myoglobin from Tetrahymena pyriformis : Its heme environment, autoxidizability, and genomic DNA structure."Biochim.Biophys.Acta. 1543. 131-145 (2000)
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[Publications] Suzuki,T.: "Dual Nature of the Distal Histidine Residue in the Autoxidation Reaction of Myoglobin and Hemoglobin : Comparison of the H64 Mutants."Eur.J.Biochem.. 267. 6166-6174 (2000)