2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12640666
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉井 清哲 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (30125364)
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Keywords | 味覚 / 電位固定 / 光学測定 / 電位感受性色素 / 活動電位 / 受容器電位 / 化学シナプス / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
マウス味細胞間化学シナプス探求のため、まず、味蕾全体から味物質に対する受容器電位を電位感受性色素の蛍光強度変化として測定した。実験には、当研究室で開発したマウス剥離舌上皮標本を用いた。この標本では、舌上皮および味細胞間タイトジャンクションが保存されているため、測定中の味細胞受容膜あるいは基底膜を異なる溶液でかん流できる。味物質は受容膜のみに、電位感受性色素は基底膜のみに与えた。各種電位感受性色素を調べた結果、TMRMが最適と判定した。Slow response dyeではあるが、受容器電位測定に支障はなく、蛍光強度変化が最も大きかった。NaCl刺激に対して、同定した11細胞中5細胞が脱分極性、2細胞が過分極性応答を示した。電気測定によっても、脱分極性および過分極性応答それぞれの応答を示す細胞からの活動電位を確認し、測定した受容器電位が液感電位によるのアーティファクトではないことを確認した。脱分極性応答を示す細胞は互いに接触していること、過分極性応答を示す細胞も互いに接触していること、を見いだした。上記の結果は、すでに公表した(J. Physiol. 530,2001)。この結果は、細胞間シナプスの存在を示唆する。そこで、味細胞基底膜における神経伝達物質受容体の発現を神経生理学的方法で調べた。グルタミン酸およびセロトニンは、基底膜のイオンチャネルを開き、細胞内Ca濃度を増大させることがわかった。これらの結果から、味細胞基底膜にグルタミン酸およびセロトニン受容体が存在することがわかった。しかしながら、これら神経伝達物質を味細胞が放出するのか、味神経が遠心性支配のために放出しするのかは、不明である。
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Research Products
(1 results)