2001 Fiscal Year Annual Research Report
生物季節と伝統的風物誌:固有性・変異性・地方性の人類学的応用に関する研究
Project/Area Number |
12640695
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
武田 淳 佐賀大学, 農学部, 教授 (20045066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 廣志 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (30162994)
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 講師 (60301355)
五十嵐 勉 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30202857)
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Keywords | 生物季節 / 風物詩 / 人類進化 / 生業維持機構 / 採捕活動 / 干潟 / 汽水域 / 礁原 |
Research Abstract |
●サンゴ礁生態系、マングローブ生態系や干潟生態系に強く依存している海辺社会や山村社会で展開される様々な生業維持活動の中で採捕活動に焦点を当てて現地調査研究を行ってきた。特に礁原、汽水域・河口部や干潟における水族資源の伝統的な採捕技術・資源利用・維持・管理や干拓と、山間部の採集活動等にみられる季節性を重視した基礎的データを収集し、人類学的応用を試みた。 ●海と陸を同時に兼ね備えた礁原、汽水域・河口部、マングローブ域や干潟は,いわば半陸半海の生態系として人類が、長い間、さまざまな水族資源を採捕・確保する上で重要な「海の畑」だった。大した技術を労しないで,女性,子供,老人たちがごく日常的に関わり合ってきた場は、一日の潮の干満を利用するだけで採捕が周年可能であったし、その多様性・豊饒性・自給自足性は、古くから人類の食物獲得戦略に重要な要素と捉えるべきである。 ●多種多様な生物相を育くむ生態系の中で、熱帯・亜熱帯などの相違する自然環境で展開される伝統的なヒトの生計維持機構と採捕にかかわる種々の風物誌は、様々な生物種の生物的季節変化に規定されることが多く人類が獲得した伝統的な文化である。その相関性にかかわる詳細な資料・データの集積とその緻密な分析は、生物季節がもつ人類学的意義を検討・考察を加えていくうえで不可欠な作業である。 ●狩猟採集経済から、新石器革命といわれる食物生産経済にいたる人類進化史的な過程を復元・考察するさいに現代文明から希薄になりつつある伝統的な採捕技術とその生物季節的変化に注目し、人類学的な応用を試みる視座は重要である。さらにその伝統性の固有性・変異性・地方性も取り込んだ総合的な記録と分析は、現在、とりまとめているが、その成果は地球に優しい生態系の保全に必要な基礎資料を提供するばかりか、緊急かつ不可欠な学際的研究課題でもあるといえよう。
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Research Products
(22 results)
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[Publications] Takeda J., E-C.Lee, K-M.Cho: "The Anthropological and ecological importance of tidal flats to Japan and Korea with special reference to oyster-gathering activities"Lowland Technology International. 13(1). 56-68 (2001)
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[Publications] Amaratunge S., P.Ratnayake, Y.Shiratake, Takeda J.: "Alternative agriculture as a method of strengthening the agricultural sector in Sri Lanka : A case study on the coconut triangle"Saga Univ. Economic Review. 34(2). 19-36 (2001)
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[Publications] De Silva S., Takada J., Kotagama H.: "The need for international cooperation in forest consevatrionin Sri Lanka"Bulletin of the Faculty of Agriculture, Saga University. 86. 1-9 (2001)
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[Publications] Takeda J.: "Anthropology-My Vocation in Life"VEN (Viennese Ethnomedicine Newsletter). 3(3). 17-20 (2001)
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[Publications] 武田淳: "有明海の干潟生態系:生産性・多様性・持続的資源利用にみる伝統的採捕技術に関する研究"地球環境研究. 49. 65-84 (2001)
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[Publications] 北島郁男, 五十嵐勉: "上場台地における土地改良事業の展開過程と農村変化-佐賀県肥前町を事例に-"海と台地. 12. 15-25 (2000)
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[Publications] 五十嵐勉: "伊万里湾八谷の干拓過程と「うね畑」景観-地先干拓の過程と低湿地農耕技術の視点から-"低平地研究. 9. 13-22 (2000)
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[Publications] 北島郁男, 五十嵐勉: "上場台地における土地改良事業の展開過程と農村変化-佐賀県肥前町を事例に-"海と台地. 12. 15-25 (2000)
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[Publications] Fujimura M.: "Nature and social relations : The Form of Property of Japanese Mura"ASIAN GEOGRAPHER. 18(1-2). 75-86 (2000)
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[Publications] 藤村美穂: "森の景観と暮らし"大阪保険医雑誌. 18(400). 16-18 (2000)
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[Publications] 鈴木廣志, Bbatan Z.: "十脚甲殻類の鯉掃除機構に関する最近の研究"月刊海洋. 号外(26). 32-38 (2001)
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[Publications] 岡野智和, 鈴木廣志: "九州南部におけるサワガニ属3種の生態と遺伝的分化"月刊海洋. 号外(26). 71-78 (2001)
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[Publications] Batang Z.B, Suzuki H., Miura T.: "Gill-cleaning mechanisms of the burrowing mud shrimp Laomedia astacina (Decapoda, Thalassinidea, Laomediidae)"Journal of Crustacean Biology. 21(4). 873-884 (2001)
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[Publications] 李慶吉, 武田淳, 鈴木廣志: "韓国の干潟における伝統的漁携と採捕活動-韓国西海岸におけるカキの採捕活動を中心にした生態人類学的研究"日本人類学雑誌. (印刷中).
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[Publications] 李慶吉, 武田淳: "干潟生態系における採捕活動-佐賀県肥前町大浦浜におけるカキの採捕を中心にした活動と水族資源の持続的利用"地域漁業研究. (印刷中).
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[Publications] Takeda J., E-C.Lee: "Oyster-gathering : the significance in the evolutionary process of human kinds"Current Anthropology. (発表予定).
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[Publications] 岩見知代子, 武田淳: "フィジー・ビチレブ島ナンドリア村におけるマングローブ資源の伝統的利用・技術と変容"季刊民族学. (発表予定).
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[Publications] 李慶吉, 武田淳: "韓国・全羅南道ハンピョン湾におけるカキの採捕-持続的水族資源利用と採捕技術"季刊民族学. (発表予定).
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[Publications] 岩見知代子, 武田淳: "マングローブ資源の伝統的利用、変容とその文化的価値に関する研究-フィジー・ビチレブ島ナンドリア村を事例に-"佐賀大学農学部彙報. 87(発表予定). (2002)
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[Publications] 五十嵐勉: "人間活動と環境変化"古今書院. 289 (2001)
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[Publications] 五十嵐勉: "歴史地理調査ハンドブック"古今書院. 249 (2001)
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[Publications] 藤村美穂: "シリーズ環境社会学2巻 コモンズの社会学"新曜社. 251 (2000)