2001 Fiscal Year Annual Research Report
高品質II-VI族希薄磁性半導体量子井戸に関する研究
Project/Area Number |
12650002
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 昌明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (80006147)
|
Keywords | II-VI族希薄磁性半導体 / 量子ナノ構造 / ホットウォル・エピタキシー / CdTe / ZnTe / Cd_<1-x>Mn_xTe / ZnTe / 高分解能透過電子顕微鏡 / ポンプ・プローブ法 / 励起子 |
Research Abstract |
本研究は、種々のII-VI族希薄磁性半導体量子ナノ構造を作成することにより誘起される、磁性イオンと励起子の相互作用における、二次元量子サイズ効果に着目し、磁気光学素子などの実用化に向けた基礎研究を行うことを目的としており、そのための種々の形状を有する高品質試料の作成法を確立することにある。本年度は第一に、新たに開発したホットウォル・エピタキシー(HWE)装置の制御プログラムと、昨年導入しコンピュータ制御による温度管理システムを有機的に機能させることにより高品質試料の作成法を確立した。第二に、これまではGaAs(001)基板を用いたヘテロ接合法による薄膜作成を行ってきた。この場合は成長初期の段階で格子の不整合性によって生じる腹中の歪が、試料の特性に大きな影響をおよぼすため、原料用として作成しているCdTe、ZnTeなどの単結晶を、ホモ接合用の蒸着基板としても使用することとし、正確な所定方位での鏡面研磨仕上げ技術を確立した。現在は基板の相違による量子ナノ構造特性の詳細を検討中である。第三に、昨年に引き続き高分解能透過電子顕微鏡(RHTEM)を用いた試料断面の観察による評価を実施し、その結果を作成技術の向上に反映させることにより、より高品質の試料作成に努力している。また、ポンプ・プローブ法による光の過渡吸収測定では、励起強度依存性から、より詳細な励起子緩和過程を研究し、その成果をPhysica E 10,326-330(2001)に報告した。現在は、高磁場中での励起子緩和過程を研究しおり、その成果の一部は応用物理学会東北支部の第56回学術講演会で報告した。電子顕微鏡観察では、J.Crystal Growth229,109-113(2001)に成果の一部を報告した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] R.Pittini: "Ultrafast magnetic polaron dynamics in Cd1-xMnxTe/ZnTe multiple quantum wells"Physica E. 10. 326-300 (2001)
-
[Publications] M.C.Debnath: "Excitonic Properties of Cd1-xMnxTe Quantum Welss Grown by Molecular Beam Epitaxy"J.Crystal Growth. 229. 109-113 (2001)