2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン散乱を用いたワイドギャップ半導体内結晶欠陥の高感度検出法の開発
Project/Area Number |
12650017
|
Research Institution | MIYAZAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前田 幸治 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50219268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 信一 財団法人新機能素子研究開発協会, 特定研究員(常勤) (20029226)
吉野 賢二 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80284826)
碇 哲雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70113214)
|
Keywords | シリコンカーバイド / 積層欠陥 / ラマン分光 / ポリタイプ / キャリア濃度 / セラミックス |
Research Abstract |
レーザラマン散乱顕微分光法を用いて、シリコンカーバイド(Sic)の欠陥を鋭敏にかつ非破壊で検出する方法を開発した。これまでの手法は、理想結晶と欠陥のある結晶のスペクトルを比較することにより欠陥を調べていたが、この方法では、その差が小さく欠陥を高感度に検出するには限界があった。そこで本研究では、ラマン散乱が理想的には禁制となるような偏光配置で測定を行い、欠陥によって誘起された微弱なラマンスペクトルを精度よく測定し、微弱欠陥の検出を試みた。3C,6H,4H型ポリタイプのSiCについて、半定量的な欠陥の面分布が作成できた。また、キャリア濃度に敏感なLOフォノンラマン散乱線を用いて、SiC結晶のキャリア濃度を決定する手法があるが、応用として、室温で実際にシリコンカーバイドの欠陥とその周辺について測定、解析を行った。欠陥周辺部でキャリア濃度の異常な変化を見いだし、電気的特牲に対する欠陥の影響が調べられた。これらの手法は非常に簡単で、非破壊でキャリア濃度を数ミクロンの空間分解能で求めることができる。 さらにシリコンカーバイドセラミックスのラマン測定を行い、セラミックス内に存在する異種の多形(ポリタイプ)の組成比を求め、x-線回折の結果と比較した。ラマンとx-線解析の結果には強い相関があり、ラマン分光が単結晶のみならずセラミックスの評価にも応用できることが分かった。これを応用して、ミクロ測定によりセラミックス粒内のポリタイプの分布やポリタィプの積層欠陥の分布に関する情報を得ることができることを示した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] S.Nakashima, Y.Nakatake, H.Harima, M.Katsuno, N.Ohtani: ""Detection of stacking faults in 6H-SiC by Raman scattering""Appl. Phys. Letters. 77(22). 3612-3614 (2000)
-
[Publications] T.Tomita, S.Saito, M.Baba, M.Hundhausen, T.Suemoto, S.Nakashima: ""Selective resonance effect of the folder longitudinal phonon modes in the Rarnan spectra of SiC""Phys. Rev. B. 62(19). 12896-12901 (2000)
-
[Publications] S.Nakashima, H.Harima, T.Tomita, T.Suemoto: ""Raman intensity profiles of folded longitudinal phonon modes in SiC polytype""Phys.Rev. B. 62(24). 16605-16611 (2000)
-
[Publications] S.Nakashima, H.Harima: ""Raman Imaging of Semiconductor Materials : Characterization of Static and Dynamic properties""Inst. Phys. Conf. Ser.. No165:Symposium. 25 (2000)
-
[Publications] T.Tomita, S.Saito, M.Baba, M.Hundhausen, T.Suemoto, S.Nakashima: ""Selectively Resonant Raman Spectra of Folded Phonon Modes in SiC""Materials Science Forum. 338-342. 587-590 (2000)
-
[Publications] 中島 信一, 播磨 弘, 勝野 正和, 大谷 昇: "ラマン散乱分光法によるSiCの積層欠陥の評価"FEDジャーナル. vo1.11, No2. 57 (2000)
-
[Publications] 中島 信一(分担執筆): "SiCセラミック新材料 1.7ラマン分光とSiC多形の評価"日本学術振興会高温セラミツク材料委員会. 11 (2001)