2000 Fiscal Year Annual Research Report
Si熱酸化過程のRHEED-AES-CL法による「その場」観察
Project/Area Number |
12650026
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高桑 雄二 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (20154768)
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Keywords | シリコン / 酸化過程 / RHEED / AES / カソードルミネッセンス / 「その場」観察 |
Research Abstract |
本研究ではSi熱酸化の膜成長と構造欠陥の挙動を統合的に理解できる物理的描像の確立を目的として、Si熱酸化過程をRHEED-AES-CL法で「その場」観察を行い、その表面反応の動的過程を解明する。本年度は以下の研究成果を得た。 (1)現有設備としてある超高真空の複合表面解析装置を改良して、高純度の酸素ガスを用いたSi熱酸化過程を、先ずRHEED-AES法で「その場」観察することを可能とし、SiO_2膜成長と界面の荒れの発達を一緒にリアルタイムモニタリングした。 (2)SiO_2膜からのO KLLオージェ電子強度の時間発展から、Si熱酸化をラングミュア型吸着、二次元SiO_2島成長、エッチングの三つの温度領域へと明瞭に区分できることを明らかにした。 (3)ラングミュア型吸着の温度領域では、原子スケールでの表面平坦性を保ったまま酸化が進み、SiO_2膜がSi表面を完全に覆った後も酸化が大変に緩やかに進行し、SiO_2膜厚の増加に対応して界面の平坦性が低下することを明らかにした。 (4)二次元SiO_2島成長の温度領域では、SiO_2成長とエッチングが同時に進行していることを観察し、RHEED-AES法を用いて両者の反応速度を一緒にリアルタイムモニタリングできることを実証した。SiO_2/Si界面の凸の発達とSiO_2被覆率の相関の時間発展をエッチング速度を用いて検討し、表面反応モデルを提案した。このモデルではエッチングはSiO脱離だけでなく、SiO_2成長によっても生ずる。 (5)エッチングの温度領域でも、表面平坦性が緩やかに低下することを明らかにした。
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Research Products
(1 results)