2002 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体量子構造の結晶成長と青紫色面発光レーザへの応用
Project/Area Number |
12650037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西岡 政雄 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70218121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 泰彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30134638)
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Keywords | 青紫色面発光レーザ / InGaN / 窒化物半導体 / 垂直微小共振器 |
Research Abstract |
電流注入型青紫色面発光レーザの実現に向けて特に高品質導電性窒化物半導体ミラーの結晶成長および垂直共振器デバイスプロセス技術の研究開発を行い、InGaN垂直微小共振器LED構造を試作・評価した。 結晶成長条件を精密に制御し、電気伝導性と高い反射率を兼ね備えたn型窒化物半導体ミラーの作製に成功した。n-AlGaN層をn-GaN層よりも高濃度にsiドープすることによって、構造の劣化を伴わずに電気的特性を一層改善することが可能である。また、歪の影響の軽減と電気的特性のさらなる向上を図って、従来のミラーにおけるn-AlGaNλ/4層をn-AlGaN/n-GaN超格子で置き換えた構造を新規に提案した。歪の影響を避けつつλ/4層界面における屈折率差を高めることができる結果、AlGaN単層を用いた通常のミラーよりも高反射率を得る点で有利であることを理論的に示すとともに、実際に超格子ミラーを作製し、26周期で95%と優れた反射率を有していることを確認した。 一方、p型電極に酸化インジウムスズ(ITO)を利用することでp-GaNの正孔移動度の低さに起因する問題を解決し、青紫色面発光レーザ構造に応用可能な効率的正孔注入法を開発することに成功した。ITOは窒素雰囲気中でアニールすることにより低抵抗かつ高透過率とすることが可能である。 これらの技術を応用してInGaN垂直微小共振器LEDを試作した。エレクトロルミネッセンス(EL)測定の結果、垂直共振器を含まない場合と比較して単色性の向上、すなわち発光線幅の大幅な狭降化を確認した。また、発光の角度依存性から微小共振器LEDにおける指向性の向上を確認した。これらの特性は明瞭な微小共振器効果の発現を示すものであり、独自に開発した要素技術を組み合わせて得られた本研究の成果は、電流注入型青色面発光レーザの実現に向けた着実な進展と位置付けられるものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Arita: "InGaN Vertical Microcavity LEDs with a Si-Doped AlGaN/GaN Distriduted Bragg Reflector"Phys. Stat. Sol. (a). No.2. 403-406 (2002)
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[Publications] Jun Tatebayashi: "Luminescence in excess of 1.5mm at room-temperature of InAs quantum dots capped by a thin InGaAs strain-reducing layer"Journal of Crystal Growth. Vol.237-239, Part2. 1296-1300 (2002)
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[Publications] K.Hoshino: "Observation of intersubband transition from the first to the third subband (e1-e3) in GaN/AlGaN quantum wells"Pysica status solidi(a). 192. 27-32 (2002)
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[Publications] Yasunori Toda: "Line Broadening of Photoluminescence Excitation Resonances in Single Self-Assembled Quantum Dots"Jpn. J. Appl. Phys.. Part2,vol.41. L1464-L1466 (2002)
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[Publications] K.Hoshino: "Effect of thermal treatment on structure of GaN self-assembled quantum dots grown by MOCVD"Abstracts of the 2^<nd> International Conference on Semiconductor Quantum Dots. 97 (2002)
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[Publications] T.Nakaoka: "Optical anisotropy of self-assembled InGaAs quantum dots embedded in wall-shaped and air-bridge structures"Appl. Phys. Lett.. Vol.81,No.21. 3954-3956 (2002)