2000 Fiscal Year Annual Research Report
2次元網膜像を3次元空間に次元アップする大脳認識機能の証明
Project/Area Number |
12650045
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 光男 立命館大学, 理工学部, 教授 (30016604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 博之 立命館大学, 理工学部, 助教授 (40278495)
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Keywords | 大きさの恒常性 / 3D認識 / 画像 |
Research Abstract |
今回でまず確かめねばならないことは、本研究で提案した次元アップゴーグルを使用することによって、2次元画像が3次元空間の景色として認識されるかどうかである。そのために戸外で使用できるポータブルの次元アップゴーグルを試作し、それを実際に比叡山を望む京都市内のある場所に持って行って実験した。あらかじめデジカメによって比叡山を遠方に望むその景色を撮影し、山の大きさだけを100%を中心にいろいろの倍率で拡大あるいは縮小した写真を作成した。また比叡山だけを取り除いた線画を作成した。被験者はまず肉眼で実際の景色を観察した。その後、比叡山の大きさの感じを線画に描き加えた。また上記の写真を順次観察し、どれが実際の山の大きさの感じと合っているかを決定した。結果は、スケッチの場合は倍率1より大きい約2.5倍の高さの比叡山を描き加え、また写真の場合も約2.3倍の大きさのものを実際に見た感じと同じだと回答した。すなわち実際に景色を見たときは大きさの恒常性が働き、比叡山は物理的な大きさより大きく認識していることが確認されたのである。つぎに、次元アップゴーグルにより片眼で写真を観察し、どの倍率の画像が肉眼で見た比叡山の大きさと同じに感じるかを測定した。結果は、倍率約1.7であった。これは期待した1.0倍より大きいが、ゴーグルなしの2.3倍よりは小さく、大きさの恒常性が部分的に実現したことを示している。つまり2次元画像は次元アップされ、3次元空間の景色として認識されていることが確かめられたのである。
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