2001 Fiscal Year Annual Research Report
表面積制御リプロン光散乱法による液体表面分子ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
12650055
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
小澤 あつみ 日本女子大学, 理学部, 助手 (30156179)
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Keywords | リプロン / 表面張力 / 光散乱法 / 界面活性剤 / 緩和時間 / 吸着密度 / CTAB / 飽和吸着量 |
Research Abstract |
我々がこれまでに確立させたリプロンスペクトロスコピー法は、液体表面に生じる表面張力波(リプロン)の伝搬と分散を動的光散乱により観測して広い帯域のリプロンスペクトルを得ることができる液体表面の観測技術である。本研究ではこの手法に新しいコンセプトのトラフ(試料槽)を組み入れ、試料表面の面積や状態を制御しながら同時に光散乱測定を行う新たなリプロンスペクトロスコピーシステムを完成させた。この手法を用いて液体表面や表面近傍の分子ダイナミクスの研究を行った。 一般的には分子運動による吸着ダイナミクスの時間スケールはms以上と非常に速いことが知られている。ところが、CnTAB(臭化トリメチルアンモニウム)界面活性剤水溶液表面では非常に遅い緩和過程が存在することを発見した。この現象はC14TAB, C16TAB界面活性剤水溶液で観測され、表面形成過程を実時間でとらえることができた。その結果、ミセルを形成するCMC以下の希薄濃度域で緩和時間数十分という非常に遅い緩和現象を確認することができた。またこの現象は濃度が薄くなると急速に増加する。C14TABとC16TABの比較では疎水基の炭素数が大きいC16TABのほうが緩和時間が大きい結果となった。そしてこれらの結果はラングミュアの吸着式から表面吸着密度と関連づけられた。さらにこのスロー緩和のメカニズムについて2つの可能性を提案した。第1は表面に吸着した分子の再配向あるいは再分布、第2は表面と次表面での2状態モデルを仮定しての分子間の高いエネルギーバリアである。
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