2002 Fiscal Year Annual Research Report
希土類イオンと色中心との共存による固体レーザー発振の安定化
Project/Area Number |
12650056
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
坪井 泰住 京都産業大学, 工学部, 教授 (70065861)
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Keywords | 色中心 / 色中心レーザー / LiF : F_2^- / 蛍光断面積 / 非線型光学 / 励起状態吸収 / ルミネッセンス |
Research Abstract |
LiF : F_2^-色中心レーザーは室温発振する色中心レーザーの中で最も安定で高出力発振するレーザーとして知られている。その理由はこれまで明らかになっていなかった。その理由を定量的に探るために非線型光学実験を行った。特に、F_2^-色中心の基底状態吸収断面積スペクトル、発光断面積スペクトル、蛍光分布スペクトル、蛍光効率、蛍光の偏光度、蛍光寿命、ピコ秒レーザーパルス励起によるピコ秒蛍光増幅、誘導発光断面積スペクトルの測定に取り組んだ。基底状態吸収断面積スペクトルでは、1080nmに吸収断面積が3.8x10^<-16>cm^2のピーク値をもち980nmに吸収断面積が1.8x10^<-16>cm^2のピーク値をもつ2つの吸収帯が観測された。発光断面積スペクトルでは、1120nmに発光断面積4.5x10^<-16>cm^2のピーク値をもつ発光帯が得られた。蛍光量子分布スペクトルでは1120nmに蛍光量子2.5x10^<-3>nm^<-1>のピーク値をもつバンドが得られ、その蛍光の偏光度は発光帯全体にわたって同一の0.41の値であった。室温での蛍光寿命は74nsの値が得られた。蛍光効率は0.49と算定された。また、励起状態吸収が起っていないことが明らかになった。さらに、ピコ秒レーザーパルス励起によるピコ秒蛍光測定と、F_2^-色中心の生成消滅過程をF_3^+およびF_2色中心との相関を考慮した解析から、F_2^-色中心の1080nm吸収帯の吸収振動子強度を0.06と算定した。これらの結果から、LiF : F_2^-色中心レーザーがレーザーとして安定性や発光強度発光効率などにおいてすぐれているその理由を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 坪井 泰住: "Site symmetries of Cu^<2+> ions in LiNbO_3 crystals"Journal of Alloy and Compounds. 341・1-2. 333-337 (2002)
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[Publications] X.M.Han: "Growth and spectral properties of Er^<3+>/Yb^<3+>-codoped KY (WO_4)_2 crystal"Journal of Crystal Growth. 242・3-4. 459-466 (2002)
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[Publications] V.Topa: "Study of Ag^--and Ag^0-type centers in X-and γ-ray irradiated NaCl : Ag^+, KCl : Ag^+ and NaCl : Ag^++Ca^<2+> crystals"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 191. 296-300 (2002)
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[Publications] O.Lammel: "Picosecond laser saturable absorption studies on F_2^-color centers in LiF crystal"Optics Communications. 206・4-6. 389-400 (2002)
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[Publications] 坪井 泰住: "Negatively charged Pb^-ion produced by electrolytical coloration of KCl crystals containing Li^+, Na^+ and Rb^+ ions"Journal of Physics : Condensed Matter. 14. 7265-7272 (2002)
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[Publications] A.Penzkofer: "Emission spectroscopic characteristic of F_2^-color centers in LiF crystal"Optics Communications. 214・1-6. 305-313 (2002)