2000 Fiscal Year Annual Research Report
振動物体への着氷予測に関する数値シミュレータの開発
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12650059
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
坪井 一洋 茨城大学, 工学部, 講師 (00282278)
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Keywords | 着氷現象 / 粒子流 / 2流体モデル / 振動円柱 / 数値流体力学 / 非圧縮性流れ / ポテンシャル流れ / 有限差分法 |
Research Abstract |
過冷却大気中を運動する物体への着氷予測を行うための数値シミュレータの開発を行った.大気温度が氷点下10℃以下の比較的低温では過冷却状態の水滴が物体表面で瞬間的に凍りつくいわゆる粗氷が形成される.粗氷の形成過程では,物体表面に流入する過冷却水滴の質量流束(局所衝突効率)が重要な因子となる.今年度は,2流体モデルに基づいた静止および振動する円柱まわりの粒子流の数値計算コードを開発し,数値シミュレータに実装した.問題の特徴として(1)粒子衝突は主に物体の上流側表面,(2)過冷却大気では粒子流から気流への運動量輸送が小,(3)計算量の減少,を考慮して主流はポテンシャル流を用いた.特に,任意の運動をする循環をもった円柱のポテンシャル流れを考えることで,pitchingおよびheaving運動をする円柱まわりの粒子流シミュレーションを可能にした. 静止円柱に対しては,Stokes数が小さい場合に発生する粒子を含まない表面層の形成および高Stokes数領域で生じる後流の形成がすでに理論的に予測されていたが,今回の計算でこれらを確認した.また,広範囲のStokes数に対して淀み点近傍での粒子密度を求めた結果,1次元モデルによる衝突限界値(St=1/16)でピークをもつ分布となることがわかった.なお,この結果に対しては淀み点流れを用いた理論的な解析が可能であると考えている. 振動円柱に対してはストークス数を固定(St=0.5)し,無次元周波数が粒子の流れ場および局所衝突効率の時間平均にどのように影響するかを調べた.その結果,無次元周波数が小さい場合はheaving運動よりpitching運動の方が影響が強くなり,無次元周波数が大きくなると,逆にheaving運動の影響が強くなることなどが明かになった. 今後,計算結果を動画化することで現象の非定常性についても明かにしたい.
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[Publications] Tsuboi,K.and Kimura,S.: "Computational Study on Local Impingement Efficiency of an Oscillating Circular Cylinder"AIAA paper in Fluids 2000 at Denver, CO. AIAA paper 2000-2661 . 1-14 (2000)
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[Publications] Tsuboi,K.: "Computational and Analytical Study on Particle Flow Field around a Circular Cylinder "accepted in 15^<th> AIAA Computational Fluid Dynamics Conference at Anaheim, CA. AIAA paper 2001-2650. (2001)