2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650061
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二宮 祥一 東京工業大学, 理財工学研究センター, 助教授 (70313377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (50314399)
白川 浩 東京工業大学, 理財工学研究センター, 助教授 (10216187)
今野 浩 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10015969)
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Keywords | 高次元数値積分 / low-discrepancy sequence / 低食い違い量列 / 金融リスク管理 / 準モンテカルロ法 / 準乱数 / 確率微分方程式の数値解法 / 金利期間構造モデル |
Research Abstract |
本年度は、一様分布列および低食い違い量列の理論的研究と金利モデルの新しい実装の研究で成果を得た。 一様分布列および低食い違い量列は、金融リスク計算の実際において大きな課題となる高次元数値積分の高速化の技術であり、研究代表者らの研究によってその効果の大きさが認識されるようになったものである。本年度、研究代表者等による、一様分布列に関する理論的研究の成果は次のようなものである。 1.高次元一般化van der Corput列の定義とその高次元数値積分に関する理論的性質の解明。 2.高次元Weyl列(Kronecker列)の力学系的特徴づけ。 1.に於いては、数値積分に一般化van der Corput列を適用した場合、被積分関数が十分に滑らかである場合に、その誤差のオーダーが・計算量をNとする時N^<-1>に比例すると言う著しい結果の証明に成功した。これは理論的には一般化van der Corput列による数値積分が有効であることを示している。 2.は、高次元Weyl列を計算機で実装するための新しいアルゴリズムに応用することが可能である。高次元Weyl列が、理論的には高次元数値積分に有用であることは、既知であったが、計算機の上に高次元Weyl列を実装する方法は今まで確立していなかった。そのために高次元Weyl列をもちいて実際に数値積分をすることは行なわれてこなかった。今回、研究代表者は、高次元Weyl列をある種の力学系で表現するという理論的な結果を得たが、この結果を用いて高次元Weyl列を正確にかつ効率的に計算機で実装することが可能になる。 金利モデルは金融リスク管理で中心的な位置を占める。本年度、研究代表者等は、現在最先端の金利モデルであ市場金利モデルと呼ばれるモデルの、全く新しい実装方法を開発することに成功した。この実装方法は、このモデルの実用化において非常に有用であることは間違いない。現在、この実装方法の理論的裏付けおよび実用化のための実験を行なっている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Fujita,Sh.Ito,and S.Ninomiya: "Symbolical and geometrical characterizations of Kronecker sequences by using the accelerated Brun algorithm"Journal of Mathematical Sciences, The University of Tokyo. 7. 163-193 (2000)
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[Publications] T.Fujita,Sh.Ito,and S.Ninomiya: "Generalized van der Corput sequence and its application to Numerical Integration"Proceedings of MCQMC2000. (to appear). (2001)
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[Publications] 二宮祥一: "金融の現場におけるシミュレーション"計測と制御. 39. 431-434 (2000)
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[Publications] 二宮祥一: "デリバティブってなに?"電子情報通信学会会誌. 83. 751-755 (2000)